建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事の工期を設定する上で注意したいこととは?

2018.03.12
分類:その他

建設工事の請負契約は、建設業法における受発注者が対等な立場で合意し、公正な契約締結のもとで履行する必要があります。
工事内容、請負金額、工期などを契約時には書面に記載し、不当に低いと判断できる請負金額の設定を禁止するといったルールも定められています。
労働安全衛生法でも、他人に仕事を請負わせる者については、施工方法、工期など、安全で衛生的な作業が遂行できるような配慮が必要ですので理解しておきましょう。


受注者や発注者とは誰のこと?
ここでの受注者とは、発注者から工事を直接請負った請負人のことです。
発注者は、建設工事を最初に注文した施主のことで、元請は下請契約においての注文者、下請は請契約における請負人のことを指しています。


工期を適正に設定するために
工期を設定するにあたり、現場技術者や下請の社員、技能労働者などを含める建設工事に携わる全ての人たちが、時間外労働の上限規制を超える長時間労働を行うことが無い様にしなければなりません。
そのためには、工事の規模、内容、難易度、施工条件、さらに地域の事情や自然条件の他、労働者の週休2日確保など、様々な条件を考慮していく必要があります。


工期設定において参考になるものは?
適正な工期を設定することを検討していく上で、工事の特性などを踏まえた上で、土木工事は国土交通省の「工期設定支援システム
を、建築工事は同じく国土交通省の「公共建築工事における工期設定の基本的考え方」や一般社団法人日本建設業連合会の「建築工事適正工期算定プログラム
を参考にしていく と良いでしょう。


時間外労働の上限規制に注意
なお、労働基準法で規定されている法定労働時間は1日8時間、1週間40 時間です。
改正法施行5年後に適用される時間外労働の上限規制は、臨時的に特別な事情があるなど労使関係上で合意していた場合でも、上回ることは出来ないことを理解しておく必要があります。
こちらは厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参考に、対応を検討していく必要があるでしょう。


請負代金には適切な反映を
週休2日を確保することを考慮して工期を設定し、公共工事の請負契約においては必要な共通仮設費や現場管理費などについて請負代金に適切に反映させましょう。
また、民間工事の請負契約の場合も、公共工事のケースを参考にしながら請負代金に適切に反映していくことが必要です。