人々が生活する住宅に使用される外壁材には、モルタル塗り壁やサイディングボードなど、とても多くの種類があります。
他にも外壁材として使われる素材にはALCパネルなども挙げられ、近年ではその優れた機能に注目が集まっているところです。
そこで、ALCパネルを外壁材に採用することにはどのようなメリットやデメリットがあるのか、その特徴などをご説明します。
ALCとは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の頭文字による名称で、高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリートを指します。
ALCは1920年代中頃にスウェーデンで開発され、1930年頃に工業生産が開始され、北ヨーロッパを中心に普及していきました。この製造技術が日本に導入されたのは1962年であり、半世紀を超える長い歴史があります。
珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末などを主原料としており、内部に気泡を含んでいます。
そのため強度と断熱性が優れているのに軽いなど、現代建築には欠かすことの建材といえるでしょう。外壁以外にも、屋根、床、間仕切りなどにも使われており、住宅に限らずビルや倉庫、商業施設などいろいろな建物の構造材料としても用いられます。
ALCパネルを外壁に用いることで、機能性が高さなど次のような様々なメリットがあります。
ALCパネルを用いた外壁は耐久性が高く、近年頻発する地震にも強いことが大きなメリットです。
適切な条件で使用しながら定期的なメンテナンスを行えば、ALCパネルそのものの耐用年数は50年を超えるほどです。
いざというときに建物を建て替えするのではなく、こまめなメンテナンスで長く機能を維持させたいという方にはおすすめできる外壁材といえるでしょう。
ALCは内部に気泡を含むため、空気の層を作ることから熱伝導率を抑え断熱性を高めることができます。
一般的なコンクリートの約10倍という優れた断熱性を持っているので、断熱材と併用することで夏季は涼しさを保ち、冬季は暖かさ維持しやすくなるでしょう。
そして燃えにくさも優れていることから、耐火性・防火性も確保できます。万一火災が発生したときにも、無機質な原料で作られているので有毒ガスや煙などの有害物質を発生させることがありません。
通常のコンクリートに比べるとALCの重量は4分の1程度です。
ここまで軽量なのに強度は高く、内部の気泡が音を吸収するので遮音性にも優れています。
騒音などが心配な環境でも、住宅内に音が伝わりにくい上にプライバシーの保護にも役立つでしょう。