地球温暖化が懸念される中で、その対策の一環として再生可能エネルギーに対しての期待が高まりつつあります。
再生可能エネルギーとして、風力発電、太陽光発電、コージェネレーションシステムなどが注目を集めていますが、この中で太陽光発電は太陽光発電パネルで太陽エネルギーをキャッチしたのち電気に変換させて供給するという流れです。
そこで太陽光発電用のパネルを設置する場合、屋根の上でどのような工事を行うことになるのかご説明します。
一般住宅の屋根はいろいろな種類がありますが、セメントと繊維を合成することで作られるスレート屋根は、日本でも多く用いられている屋根材です。
他の屋根材よりも穴をあけたり加工したりなどが簡単で、太陽光発電の工事も比較的やりやすいことが特徴といえるでしょう。
太陽光パネルは1枚15~20kgという重量があるため、屋根まで持ち上げるためにはスライダー(昇降機)を使います。そのためまずはスライダーを設置する作業から行うことが必要です。
太陽光パネルをどこに設置するのか、位置を決めることを墨出しといいますが、墨つぼで屋根に線を縦・横・斜めに引いていく作業を行います。
太陽光パネルの位置だけでなく金具の位置もメーカーによって細かく決まりがあるため、ルール通りに設置していきます。もし決まりを無視して設置してしまうと、メーカー保証の対象外なりますし、安全確保のJIS規格を満たすこともできなくなります。
事前にスレートに下穴を開け、防水処理(コーキング)を施します。そこに架台をビスで固定し、雨水の浸入を防ぎます。
架台とスレートの隙間からの水が浸入しないように左右と上部をコーキングし、下部は水が浸入してしまったときの逃げ道として開けておきます。また、サビが発生しないようにねじ山もしっかりとコーキングを行いましょう。
フレームと架台をボルト・ナット・ワッシャーなどで規定のトルクでしっかり固定し、架台とフレームを仮止め段階で不陸調整し、フレームの高さをそろえゆがみをなくします。
フレームが平らになるように水糸で水平になるようにしてください。このときしっかり位置を揃えていないと、太陽光パネルがゆがみ故障の原因になる可能性があります。
フレームを組んだらいよいよ太陽光パネルの配置ですが、1枚の重さは先にも述べたとおり15~20kありますので、風にあおられないよう慎重に運ぶようにしてください。
設置の際には太陽光パネルの裏側のコネクタ接続も行い、アース線も忘れずに設置しましょう。
軒先のカバーとパネルを押さえる金具を付ければ、屋根の上で行う工事は完了です。この作業と同時進行で、屋内の電気工事も行われます。