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都市開発の工事に伴い発生する立ち退き問題はどのように解決される?

2020.06.23
分類:その他

街の都市開発などの区間に入っている場合、道路の拡幅が必要となったり新しくビルを建てたりなど、既存の建物の所有者に立ち退いてもらい工事を行うことも必要となります。

公共事業の道路工事や都市開発の工事に伴って必要となる立ち退きは、法律に従い実施されます。最終的に拒否はできないとされている一方で、所有権者や賃借権者には権利が保護されているため、金銭面や代替地の用意など補償を受けることができる場合もありますがスムーズに話が進むとも限りません。

このような場合、工事を行う事業者はどのような流れで都市開発が進んでいくのか、その流れを把握しておきましょう。

立ち退きの補償金はどのように決まる?

都市計画道路にかかる築6年の一戸建て住宅の場合、立ち退きの補償金は基準価格の物価表が都市計画道路の補償価格の基準となります。

そのため路線価や公示価格などが都市計画道路の補償価格の基準にはならないと認識しておきましょう。

建物も課税評価額ではなく、補償価格は建物そのもの以外にも、門、塀、樹木など外構まで決まっています。

補償価格の基準は正常な取引価格で土地の補償を行うことになるので、近傍類地の土地の相場に近いものとなるでしょう。

一般的に買収価格は役所が不動産鑑定を可能とする補償コンサルタント業を登録している業者に委託して決めています。

 

貸店舗の場合は?

道路を拡張し、商業施設やマンションを建設するなど、いずれも都市開発では法律に従い実施される公共事業です。土地の所有権や賃貸権を保有する方の権利を守る必要があるため、補償金の支払いや代わりの土地が準備されるという対応を待つことになります。

すでに建っている建物が貸店舗などの場合、建物の管理者だけでなく建物を借りている方の権利も守られるので、貸店舗オーナーからすぐに契約解除となるわけではないのです。ただいずれにしても立ち退かなければならないので、貸店舗オーナーとの交渉が行われることになります。双方の事情を考慮しながら立ち退き料の金額を決めて、契約解除し立ち退きとなるでしょう。

 

一方的に追い出されることはないものの…

立ち退きでは一方的に即追い出されることはなく、原則、事業者と権利者が話し合いを行い補償金など条件の取り決めを行った後で契約を結び、立ち退くことになります。

土地収用であれば、土地や物件状況を調査・確認し、調書作成後に収用委員会に申請を行い公開し、収用委員会で審理・裁決を得るという流れになるでしょう。

この流れから、実際に立ち退くまでは時間的な猶予があるので、できるだけ合意により穏当に明け渡しを行うことができるように進めていくことになるでしょう。