建設現場で行う朝礼が安全対策に重要である理由とは?
建設現場は常に危険と隣り合わせの状況と言えます。そのため、日頃から労働災害が起きないための取り組みを講じておくことが必要ですが、毎日の朝礼やミーティング、パトロールなどもその1つです。
朝礼の時には、安全衛生責任者からしっかり安全指示を伝え、作業員が指示を理解して守っていることが大切です。しかし、朝礼は毎日行うため、同じことを伝えられることで従業員の安全意識がマンネリ化してしまっていたり、油断に繋がっていないでしょうか。
朝礼で出した指示は本当に作業員に伝わっている?
安全指示を出していても、指示を聞いているようで実は聞いていなかったことが原因で起きる災害も多くあります。現場のコミュニケーションが良ければ、自然と指示を守ろうという雰囲気になるはずなので、現場で働く人たちの人間関係を良好に築くことも大切です。
良好な人間関係であれば、作業員も現場のルールを守ろうと思うでしょうし、指示を出す人のためにも不安全行動はやめようという抑止力に繋がります。反対に現場がギスギスした環境であれば、指示を出す人への反発心から、ルールを守りたくないという気持ちになってしまうかもしれません。
労災事故が起きていない事業所は人間関係も円滑
長きに渡って労災事故が起きていない事業所などをみると、毎日、すべての働いている人たちに必ず所長から声かけを行うことを続けているようです。その所長から、朝礼で安全ルールを守るように伝えられれば、やはり所長に迷惑をかけたくないから守ろうという気持ちになると考えられます。
建設現場は多層構造になっているので、働く作業員も変化していきます。途中から現場に入った作業員は居場所を作りづらいものなので、積極的に現場のリーダーが声かけを行いながら、同じ現場の仲間という空気を作ることが大切です。
指示の出し方にも注意が必要
ただし、指示が曖昧な場合や一方的なものは作業員に伝わりません。なぜ安全指示を守る必要があるのか理由も交えながら、作業員が理解できる形で指示を行うようにしましょう。
問いかけを行ったり、質問に答えるなど、丁寧に説明していくとマンネリ化を防ぐこともできます。
事故が起きてしまえば多くの人に迷惑がかかることを意識させることで、一方的な指示ではなく現場の安全意識を高めていくことができるでしょう。
そのためにも朝礼を上手く活用することが大切です。作業員の安全意識を高めることだけでなく、現場のコミュニケーションを良好にし、作業員が一体となって労働災害防止に励むことができるでしょう。