一般の方が新築ビルを建設するときにどのくらいの費用がかかるのか考える場合、マンションの建設にかかる費用を参考にするとわかりやすいといえるでしょう。
ビルもマンションも坪単価×面積で費用が決まることとなり、坪単価はSRC造、RC造、鉄骨造など構造により違いが出てきます。
ただ、すべてが同じではなく、ビルとマンションの建設費では異なる点があることも認識しておきましょう。
新築ビルを建設する目的として、商業施設を入れることなどでしょう。
商業施設ではマンションでは必要となるキッチンやバスの設備は必要がないことが多いものの、建物を躯体だけの状態にするスケルトン渡しとなりますし、建物のデザイン面でもマンションよりこだわりがある形になることが多いといえます。
また、ビルの建設費は構造や延床面積が同じだとしても、地域により価格に違いが出ることが多いといえます。
コンクリートの費用など、材料自体の単価や運搬費が地域ごとに違うからで、基本的には都心から近いほど坪単価は高くなりがちの傾向が見られます。
新築ビルを建設すると、スケルトン渡しにすることが大きな特徴です。
マンションなど集合住宅を建設した場合には、内装やキッチン・バスなどの設備などの工事が必要となるため、それらの工事費用が発生してしまいます。
しかし新築ビルの場合にはこれらの設備は必要がなく、賃貸区画を設備など何もない状態で引き渡しが行われるスケルトン渡しが基本です。
自由に店舗が設計できるようにスケルトン渡しが基本であるのはマンションよりも費用を抑えることができる点でメリットですが、商業施設の業態によって新築ビルの建設費用は変わってきます。
新築ビルを建設する目的は、オフィスやショッピングセンター、フィットネスジムなど商業施設に貸すことを前提としたものです。
そのためどのような業態の事業者が対象なのかにより、かかる費用も異なります。仮にショッピングセンターを目的とした場合には、特殊な設備や間取りなどは必要になりませんし、間仕切りの壁も少なくてよいでしょう。
しかしフィットネスジムを目的とするなら、プールなどが施設の一部として必要となるでしょうし、シャワー設備なども備えることとなります。
他にも病院や介護施設などを目的とするのなら、マンションと同じく部屋ごとに給排水設備の導入が必要となり、介護用など特殊な設備が必要になることもあるのでその分費用負担は大きくなると認識しておきましょう。