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建設現場で起きる事故を防ぐために最も重要なこととは?

2018.12.18
分類:その他
建設業界での死亡事故は減少傾向にあるとされていましたが、実際には現場から墜落事故が起きるなど後を絶たない状況です。 建設業界は人手不足が問題視されていますが、この人手不足の問題が今後、事故を誘発する可能性を秘めているため、現場での安全対策の抜本的見直しが必要といえます。

建設現場で多く発生する事故の種類

建設現場では、墜落・転落、建設機械・クレーン、倒壊・崩壊などが三大災害と言われるほど多く発生しています。 この三大災害が建設現場で起きる事故の約7割を占めており、特に墜落・転落事故は全体の約4割を占める多さです。 □墜落・転落事故の原因 手すりの設置が十分になされていなかったこと、足場の固定が完全ではなかったこと、さらに安全帯が使用されていなかったことなどが原因として挙げられます。 □建設機械・クレーンなどでの事故原因 用途以外で使用したことや、オペレーターが後方確認を怠ったこと、重機誘導者が配置されていなかったことが挙げられます。 □倒壊・崩壊による事故原因 掘削の土止めが設置されていなかったことや、作業開始の前に点検が行われていなかったことに原因があるようです。

建設業界で問題視されている労災請求の種類

また、近年では長時間労働やパワハラなどでストレスを抱え、精神障害や自殺などの労災請求が増えている傾向です。 建設業界は重層下請けという構造になっているため、建設現場には色々な職種の労働者が入ります。入れ替わりも激しいことで、従業員にストレスが掛かりやすいことを認識しておく必要があるでしょう。 □精神障害や自殺などの労災請求を防ぐために 現在、常時50名以上を雇用する事業者には、従業員にストレスチェックを行うことが義務付けられています。 無記名のストレスチェックを実施し、現場全体について確認するようにしましょう。また、健康KYなど、それぞれの従業員の状態をスクリーニングすることも大切です。

徹底した安全教育が必要

物的要因による事故を防ぐには、機械設備などの安全対策に加え、従業員など働く人の不安全行動をなくすようにしましょう。 手順の省略やルールが守られていないことが事故に繋がりますので、現場の作業手順など、ルールには必ず従うことを徹底付けることが必要です。 本当であれば足場上で作業する時、階段を使う必要があるのに外側をよじ登って転落したり、重機の作業範囲の死角に入り挟まれるなど、これくらいは大丈夫といった「慣れ」が大きな事故に繋がるのです。 建設現場の事故をなくすために、教育は大切な要素ですので、しっかりと安全衛生教育を行うようにしましょう。