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日本初の高層純木造耐火建築物がついに建設!その内容とは?

2020.08.23
分類:その他

大手ゼネコンとして有名な株式会社大林組は、グループを持続的に成長させるために次世代型研修施設の建設に着手しました。階数は地上11階、地下1階となっており、通常の鉄筋コンクリート造のビルと変わりません。

その次世代型研修施設は、壁・床・柱・梁という構造部材がすべて木材になっている、日本初の高層純木造耐火建築物であることが特徴です。

大林組の研修施設は日本初の高層純木造耐火建築物

大林組の研修施設は、コミュニケーションを誘発させ新しいイノベーションを創出し企業文化を生み出すことができる施設として運営されるようです。

コンセプトを実現させるため、世界にも類を見ない日本初である高層純木造耐火建築物の建設となりました。

木質化の空間がリラクゼーション効果や調湿効果をもたらし、利用者が快適に過ごせることで研修効果の向上を図ることができるでしょう。

建物の外皮負荷が最小化されることで自然エネルギーも積極的に活用され、一般的な建物と比べるとエネルギー消費量は50%以下となるようです。

 

採用された独自の耐火木造技術

高層純木造耐火建築物の建設にあたり、大林組の耐火木造技術・オメガウッド(耐火)が構造部材に適用されます。

オメガウッド(耐火)とは、燃え止まり層(耐火層)として石膏ボードを、燃えしろ層には表面に木材を設け、2時間耐火木造をローコストで実現させるという技術であり、大林組が開発した独自の耐火木造技術です。

1階部分の柱は日本初である3時間耐火仕様の採用としています。

 

鉄筋コンクリート造とかわらない木造の中高層化を実現

鉄筋コンクリート造と同じスパンで中高層化させるためには、柱と梁の接合部に高い剛性や耐力が必要です。

そこで開発されたのが金物を使わない剛接合仕口ユニットで、省CO2ではなくCO2固定化の観点より純木造の建築物を可能としています。

この金物を使わない剛接合仕口ユニットに免震構造を組み合わせ、耐震性も強化されるようです。

 

地球・社会・人のサステナビリティ実現に向けて

大林組は2011年に中長期環境ビジョンを策定し、グループが一体となって地球・社会・人と自らのサステナビリティを追求するとしています。

ウェルネスの観点から高い優位性を保持できる木材の利用を進め、国産木材のサプライチェーン最適化や材料の無駄を排除する部材形状の検討なども行ったようです。

日本初となる高層純木造耐火建築物への取り組みで、得ることのできる知見を活用し、地球・社会・人のサステナビリティ実現へと進む活動を拡大させているようです。