たとえば建設業許可を取得して建設業を営んでいる法人が、建設業に関する事業切り離しを行い、新会社を設立するとします。
その際、新会社に建設業許可も引き継ぎたいと考えるものでしょうが、新設会社はもともとの法人とは別会社となります。
そのため建設業許可を引き継ぐことはできないため、新会社が建設業許可を取得しなければなりません。
新設分割で建設業に関する事業を切り離した場合でも、新会社にもとの会社の建設業許可を引き継ぐことはできませんので、新会社自身が建設業許可を申請し許可を取得しましょう。
建設業許可申請から許可証発行までは一定時間かかりますので、新設分割後の事業開始日を調整しなければならないこともあります。
建設業許可取得には一定条件を満たさなければならず、新設分割で会社設立した後でなければ許可申請はできません。新設分割と許可取得を同時に行うことはできない点にも注意しておく必要があります。
事業の分割により設立された新会社が建設業許可を取得するためには、まず許可取得の条件を満たすことが必要となります。
主な条件として必要となる人材は、
・常勤の経営業務管理責任者(建設業に関する経営経験5年以上(許可申請業種と同業種の場合)、または7年以上(許可申請業種と異なる業種経験の場合)の取締役
・常勤の専任技術者
などです。
さらに、建設業に関する請負契約履行に足りる財産的基礎を必要とします。自己資本500万円以上、または500万円以上の預金残高証明書の取得が必要となります。
そのためもとの会社の人員を、分割と同時に新会社に異動させることも検討しなければなりません。
分社化前後を通して建設業を行うときには、新設する法人が合併前に建設業許可を取得することになります。
もとの会社と同事業を行うには、新設する会社も建設業許可を取得しなければならないからです。
建設業許可がない期間においては。請負金額500万円未満の工事のみ受注するようにしましょう。この場合であれば、建設業許可を取得しなくても仕事を請け負うことは可能です。
許可がない期間に請け負う工事を限定することで、事業を継続させることができます。