建設工事のうち、スリップフォーム工法が採用されることがありますが、工期を大幅に短縮させることが可能であるなど様々なメリットがあります。
このスリップフォーム工法は、ジャッキでコンクリートの型枠を押し上げ、滑らせつつ上昇させていき、連続してコンクリートを打設し躯体をつくっていきます。
たとえばタワーや煙突、石炭サイロといったRC塔状構造物を施工する際に採用することで大きなメリットがあります。
スリップフォーム工法を採用すれば、高さ・平面形状・壁厚などの変更が自由となり、短期間で費用を押さえながら精度の高い施工を実現させることができます。
施工中にそれぞれの操作や様々な情報の計測・管理も可能で、たとえば千メートルある高さのタワーなどの建設も可能となっています。
高い品質のコンクリート構造物の完成を実現させるメリットだけでなく、施工精度を高めることができるため、日本だけでなく国外でも実績がある工法です。
スリップフォーム工法を採用することで、工期は大幅に短縮できるのは、1日の施工上昇速度が2~8メートルというように在来工法と比較するとスピードが飛躍的に上がります。
高さ200メートルの煙突なら約40日あれば完了しますし、本来なら地上式LNGタンクは約10か月かかりますが約20日で構築させることができます。
施工速度を大幅に向上させながら工期を短縮させることができ、自動で施工を調整できるため手作業を削減できます。業務の効率化に加え、労務費・管理費・各種機材費などの縮減も可能です。
各種センサーによる自動計測・制御で、打ち継ぎのない高精度・高品質のコンクリート構造物の建設が可能です。
どの作業もスリップフォーム工法装置と、上昇する安全な作業床上により行うことになります。
スリップフォーム工法によってコンクリート煙突を連続施工することもできます。
大がかりな足場を必要とせず型枠や足場が装着されたジャッキがロッドを上昇するので、連続的にコンクリート打設作業が可能で、ステップごとの型枠解体もなく工期を短縮させることができます。
特に足場を設置することが難しい、サイロのコンクリート工事などでは有効な工法といえるでしょう。