建設・土木の工事を担う建設業は、昭和や平成などを経て令和時代に突入し、新たな取り組みが求められています。
深刻化する人材不足を解消しなければという問題を抱えながら、新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しい状況に追い込まれ、さらに問題を深刻化させているといえるでしょう。
国もi-Constructionを推進し、2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させようとしています。
国が推進するi-Constructionとは、測量・設計・施工・検査・維持管理などの事業プロセスにおいて、ICT(情報通信技術)を使うというものです。
それにより建設現場の生産性を飛躍的に向上させるというもので、主に次の3つの施策を掲げています。
・ICT技術を全面的に工事へ活用
・規格の標準化(コンクリート)
・施工時期の平準化
この中で、特に重点に置かれているのがICT技術を全面的に活用する工事です。
働き方改革によって、ICT活用は建設業界以外でも推進されています。
ICTとは、ITの情報処理技術に加え通信利用したネットワークも活用するということです。
このICTを建設現場のプロセスに活用することで、安全性を向上させながら正確に作業を進め、時間も短縮できるなど生産性向上を図ることができるとしています。
たとえば測量は人手と時間がかかる作業ですが、これをドローンや地上レーザースキャナを使って行うことにより、施工対象範囲を3次元的に計測できるようになります。
設計データの作成においても、従来の縦横断図に加え3次元測量の結果を合わせた土量計算を可能とします。
さらに3次元設計データを衛星測位システムによる位置情報をICT建設機械に転送することで、自動制御機能を用いて行うことができます。
i-Constructionが推進されるようになった理由として挙げられるのは、減少する労働力に対応し生産性向上させたいと考えたからです。
建設業就業者は減少していく一方、建設投資額は上昇傾向にあり、需要に対して対応できる労働者不足が問題視されています。
このままでは経済成長は見込めないため、労働者減少を上回る生産性向上の実現に向けてi-Constructionを推進する動きが高まりました。
しかし生産性を上昇できた場合でも、建設業界の人口構造の課題を解決できなければ意味がありません。
そこで、ICTなど最新技術を導入することで、経験が少ない若い担い手や女性なども就業しやすい現場となり、異業種から転職しやすい業界と認識してもらえるようになります。
未来の建設業界を魅力的なものにするためにも必要だと考えられているのです。