発電効率が高いとされる風車は、風の力を受けてエネルギーを発生させる風力発電に活用されています。
環境負荷の少ない発電方法とされていますが、風力発電に欠かせないのは安定して吹く強い風です。
再生可能エネルギーの1つである風力発電は、環境負荷が少ない発電方法として日本でも発電機の設置数が増やされています。
ヨーロッパなど世界で導入されている発電方法であり、太陽光に続いて認知度の高い再生可能エネルギーといえます。
実際、日本でも高速道路を走行中に、山上に大きなブレードのある風車が複数設置されているのを目にすることもあるでしょう。
風力発電機の最大の特徴はCO2など有害物質を排出せずに電力を供給できることであり、風を使って発電するため永久的に利用が可能であることも大きなメリットです。
風力発電機を設置するにあたり、クレーンでそれぞれのパーツを吊り上げ組み立てる工程では風速10m/秒が基準となります。
風車上部で吹く風は地上付近の2倍ほどともいわれており、作業を行うか決める最終的な判断は、クレーン先端の風況センサーを確認しながら協議します。
しっかりと準備を行っていても、作業直前に中止となることもめずらしくありません。
そして風車を組み立てる前に悩みのタネとなるのが、42メートルはあるブレードの運搬です。
港にブレードが届くと、トレーラーにのせて深夜の一般道で運ぶことになります。
しかし風力発電機は山頂に設置することが多く、山間部はほとんどカーブ道を通らなければなりません。
上下車線を止め幅員をフルに使い、標識など取り外したり特殊車両を使ったりなど、ぎりぎりすり抜けて通り運ばれます。
風力発電機は1年を通して風が吹く場所に設置することが必要であり、発電機の陸揚げや運搬が可能な場所でなければならないといえます。
さらに送電線と接続可能であることも必要であり、希少動植物の生態系に影響を与えない場所であることも条件となります。
風力発電機を設置するにあたり、建設から完成までの一連の流れは次の通りです。
①荷下ろし(船からブレード・ナセル・ローター・タワーなどを港に下ろす)
②基礎工事(鉄筋を地下深くまで張り巡らしコンクリートで固め基礎を作る)
③風車の運搬(一般車両や道路に負担をかけないように夜間に輸送する)
④タワー据え付け・ナセル取り付け
⑤ローター取り付け