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新たな原発の建設は本当に必要?どのような流れで工事が始まるのか

2021.08.24
分類:その他

2011311日に発生した巨大地震により、福島第一原発をはじめとする原子力発電所は大きな被害を負うこととなり、深刻な原子力事故を起こすこととなりました。

エネルギー資源に乏しい日本は、使用するエネルギー資源の多くを輸入に頼っているものの、エネルギー消費量増加・資源枯渇・情勢による価格変動・エネルギー資源使用に伴う大気汚染と地球温暖化など環境悪化といったことを背景にエネルギー資源の確保や低炭素社会を実現させることが課題となっています。

そこで新たな原発の建設なども予定されているようですが、本当に必要なのか、そもそもどのような流れで工事が始まるのかご説明します。

原子力発電は本当に必要か

世界のエネルギー事情に左右されることなく、地球環境に配慮しながら長期的に安定して電力を供給するには安定性・環境性・経済性でバランスが取れている原子力発電を推進していくことが必要ともいわれています。

しかし原子力事故により大きな被害が発生した現在では、新たに原発を建設することへの反対の声も多く、低炭素社会を実現し電力を供給するためには何が一番よいのか考えなければならないときが来ているといえるでしょう。

 

新たに原発建設が予定されている?

エネルギーセキュリティ確保や地球温暖化問題へ対応しつつ、電力を安定して供給するための重要な電源として原子力発電所が位置づけられています。

新たに原子力発電所の建設が予定されている地は、下北半島の東通村に位置し東側は太平洋に面している場所です。敷地は海岸線方向約3km・陸地方向約1.5kmでほぼ平坦な地形となっているとされています。

 

原発建設までの流れ

まず原子力発電所が建設される場所は、都市部から離れたところにあることが多いのはなぜかという疑問を感じる方もいることでしょう。

その理由として、原子力発電の建設には次の条件を満たす場所が候補として挙げられるからといえます。

・広い敷地を確保できること

・海岸や大規模河川沿いに位置することで大量の冷却水を確保できること

・事故の誘因となる可能性のある地震を考慮して、堅固な岩盤を有すること

・地元から理解を得られる場所でなければならないこと

原発の建設については、まず原子炉規制法に基づき、国に原子炉設置許可申請書が提出されます。

経済産業省は原子炉を設置することが平和利用以外に利用される恐れのないものか、安全性確保などについて審査を行い、審査結果を原子力委員会及び原子力安全委員会が確認した後で原子炉設置が許可されることになります。

原子炉設置の許可が下りた後は、電気事業法に基づき工事開始に先立ち発電所の工事計画・設計の詳細の審査が行われ、国の工事計画認可がなされます。

これらの手続きを経て工事が開始され、電気事業法に基づいた工程ごとの厳重な使用前検査が行われます。