建設現場の知識として、把握しておきたいのが基礎工事です。
建物を作るとき、その土台を築くための工程が基礎工事ですが、この基礎工事により建物全体の耐久性を左右します。
そこで、基礎工事を行うときの作業手順や、現場で飛び交うことの多い専門用語などについて解説していきます。
基礎工事とは、地面と建物のつなぎ部分である基礎を造るための工事です。
地盤と建物をつなぐパイプ役となる重要な工程ですが、建物の重さなど垂直な力や地震の揺れなどの水平な力を、建物から地盤に伝え建物の一部分のみ沈み傾く不同沈下を防ぎます。
鉄筋コンクリートでつくることなり、底盤・立上り・地中梁・杭などで構成される基礎をつくる工事を総称して、基礎工事と呼んでいます。
基礎工事のおおまかな作業手順は次のとおりです。
まず、基礎工事の方法にはベタ基礎(防湿基礎)と布基礎の2種類があります。
このうち、ベタ基礎の場合には次のような工程で進んでいくことになります。
①地縄を張る(遣り方工事)
②根切りをする(掘削工事)
③砕石を入れる
④防湿シートを敷き、捨てコンクリートを流す
⑤鉄筋を組む(配筋)
⑥外周の型枠を組み、ベース部分のコンクリートを打設
⑦基礎内部の型枠を組み、基礎内部のコンクリートを打設
⑧型枠を外し、雑コン・仕上げ
⑨基礎の完成
基礎工事は工程が多いことが特徴ですが、どれも建物の土台を築く上で欠かすことのできない作業ばかりとなっています。
基礎工事の現場では、次のような専門用語が飛び交うことになります。
用語の意味を覚えておくと、現場で円滑にコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
・打設…コンクリートを枠内に流し込む作業
・ベタ基礎…コンクリートがすき間なく連続している基礎で、コンクリートが地面を完全に覆う状態となる
・布基礎…逆T型の基礎であり、一般家屋で用いられることが多く、ベタ基礎と比べてコストが低い反面、カビ・シロアリ・経年劣化のリスクは高い
・地盤改良…ぬかるんだ地盤を補強する工事のこと
・GL(グランドライン)…住宅の基準となる高さ
・ポンプ車…生コンを流し込むときに使用
・剝離材…型枠に生コンを付着させないための油
・バイブレータ…生コンの水分や空気を出し締め固める機械
・被り厚さ…鉄筋をコンクリートで包むときの厚さ