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建設工事現場の「現場責任者」「職長」「工事責任者」の違いとは?

2022.04.13
分類:その他

建設工事には「現場責任者」の他にも、「職長」や「工事責任者」と呼ばれる立場の方がいるなど、いったい誰が責任を負う立場なのかわかりにくいことがあります。

そこで、建設現場の「現場責任者」「職長」「工事責任者」はそれぞれどのような立場の人なのか説明します。

「現場責任者」とは

企業と工事現場とのパイプ役となり、現場を管理する責任者が「現場責任者」です。

工事現場では、部下や職人など作業員を統率し、事故を防止するときのリーダー的存在となります。

工程管理・品質管理・原価管理・安全衛生管理などの業務を担当することとなり、役職全体を総称して使われる呼び方です。

 

「職長」とは

工事現場で作業員の指導・監督を行うのが「職長」です。

建設資材などを搬入したり廃材など搬出したりなどで、運搬車両が出入りすることもあれば、クレーンなど建設機械を継続して稼働させることで事故リスクは高くなります。

そこで、工事現場全体を監視・監督し、作業が工程通りに進んでいるか、品質は確保できているか管理することになります。

 

「工事責任者」とは

建設工事全体の責任を担う立場となるのが「工事責任者」です。

工事現場の規模が大きい場合、漏れなく全体を点検・確認することは難しくなります。

そこで、工事をいくつかの作業で区分けし、分けた作業ごとに作業責任者を設置し、点検・確認をさせます。

作業ごとの作業責任者と連携しながら、工事全体を統括するのは工事責任者の仕事です。

職長や工事責任者も、現場責任者とは呼び名が異なるだけで、業務はほぼ同じといえるでしょう。

 

「現場責任者」の担当する5つの管理

現場責任者が行う業務の内容は、「5大管理」と言われる5つの管理ですが、それぞれの管理について説明します。

工程管理

建設工事の工期を守るため、スケジュールを管理するのが「工程管理」で、一定期間ごとに作成される工程管理表により行います。

品質管理

設計図書や仕様書どおりに建物が造られているか管理するのが「品質管理」です。

安全管理

工事現場で安全に作業を行うことができるように、整備を行うための管理が「安全管理」です。

原価管理

施工計画などに基づいて算出した「実行予算」と、現場での実際の工事で発生する「原価」を管理し、利益計上できるように管理するのが「原価管理」です。

環境管理

工事現場周辺の環境や、労働環境に悪影響が及ばないような対策を行うのが「環境管理」です。