企業を経営する上で取り巻くリスクは、業種の種類や業態によって様々です。中でも建設業界は他の業種よりもトラブルが起きやすい特徴があります。リスクをしっかりとカバーできる適切な保険に入ることで万全の体制を整えることができます。リスク対策の保険に加入していることを検討している場合や、現在自社で既に加入している保険があるならば今一度見直しをしてみましょう。
例えば、ビル建設現場でクレーンが風にあおられて転倒したり、建設現場の足場の上から資材や建設工具を落下させてしまたり、切断工事中に火花が飛んで火災が起きてしまうなどの事故が起きてしまうと大きな損害が発生する可能性があります。そのような万が一の事態に発生する損害を軽減させるために建設業用の保険に加入しておくことが良いでしょう。
建設業用の保険は幅広く補償がカバーされている内容のものがトラブルに確実に対応できます。
建設業用の保険にも保険会社や商品内容は様々です。自社の業務内容に合うものを選ぶことがポイントですが、欲しい補償が基本内容に含まれておらず特約を付帯しなければ補償がされない場合もありますので内容をしっかりと確認しておきましょう。
保険料なども様々ですが、年間工事数が少ない場合などは工事の期間だけ補償される短期契約の保険に加入することも可能です。逆に工事数が多い場合には、年間契約の保険のほうが割引制度の適用やたびたび保険に入るといった手間がかからないので良いでしょう。
建設業は労働に対する危険リスクが高いという特徴がありますが、実際に現場で労働災害の事故が発生した場合には元請け企業の労災を使用することになります。そのため下請け業者側としては元請けとの立場上、労災隠しが起こりやすい環境にあり、自社の労災も使えないので困ることになりかねません。また、工事現場に出入りする一人親方や下請負人の場合、特別労災加入していなければ労災漏れするというケースも存在します。
例えば、出勤中の事故や、脚立で作業中に足場から転落してケガをした場合、もしくは資材が倒れて下敷きになってしまう事故などが発生した場合に補償される保険として「労災上乗せ保険」があります。
労働災害から企業経営を守ってくれる保険で、従業員の業務中の事故が発生した場合に労災にプラスして補償が可能です。
人身事故や物損事故が起きる危険が高い現場や、高所からの資材の落下、漏水事故などは大きな賠償リスクへ発展する可能性が高いです。
ビル建設の工事中に鉄材落下により通行人が重傷を負った場合や、スプリンクラーの損壊により漏水事故が発生して什器備品に損害が起きた場合、配水管の施工不備により発生した漏水で階下の店舗が汚損し休業になった場合などに対応できる保険として、「建設業賠償責任保険」があります。
包括的に建設業の工事の遂行、業務用施設の所有、管理、引き渡し後の工事結果による事故による法律上の損害賠償責任を補償してくれる保険です。下請負人や発注者の賠償責任も補償されます。
工事の対象物・工事用材料等工事現場におけるほとんどの物に対して、火災、風災、水災、盗難等の不測かつ突発的な事故による損害を補償してくれる保険もあります。
建設中の建物が火災で燃えてしまった場合、台風や竜巻で建設中の屋根が飛んだ場合、工事現場内に置いてあった資材がそっくり盗まれた場合など、また新たに作り直したり、購入したりするリスク対応もしなければなりません。
他にも工事場内で建築中の建物に突発的な事故で損害が生じた場合の資材リスクや、組立て中の突発的な事故などに対応してくれる保険もあります。自分の企業のニーズに合う内容ものを選ぶことで工事に関わる人たちやそれ以外の周囲に対する補償も可能になります。