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建設業における転落や転倒事故のリスクとは

2016.07.11
分類:その他

建設業は他の業種より死亡災害が多く発生する業種と言われています。建設業で働く人の比率は全産業の約1割ということを考えた場合、死亡災害比率が約35%という数値からも非常に高い傾向にあると言えます。

 

 

建設業の労働災害による死亡者数

 年別の建設業全体での労働災害死亡者数は年々減少傾向にはあります。しかしその中で手転落などによる死亡災害は毎年全体の4割近い比率を占めています。

 

転落による労働災害での死亡者数

 転落で死亡する労働災害はどこで起きているのか発生か所を見た場合、足場からの転落が最も多く毎年全体の2割前後を占めています。足場から転落する作業のうちどのような作業をしていて転落したかについては、既に組んだ足場上での作業中、もしくは移動中が全体の5割強を占めています。次に足場の組立て段階、もしくは解体作業中の作業が3割弱となっています。

 

建設作業中の転倒や転落事故

 足場での作業中に事故が発生しているのは、交差筋交いのみでは開口部が広いためです。交差筋交いは足場を構成する部材で墜落防止のための機材ではありません。そのため事故防止のためには、足場の全層につま先板と二段手すりを設置して作業を行うことが必要です。作業がしやすいことで安心して働くことができます。足場の安全点検を行うことが必要不可欠になるでしょう。

 

足場の組み立て、解体の作業中転落する事故

 足場を組み立てる段階や解体を行う作業中には手すりがありません。バランスを崩してしまえば作業している人は転落することになりますので、事故防止のために手すり先行工法を実施し足場の安全点検を行うことが必要不可欠になります。

 

物の落下による事故

 足場から物が落下すればその下で作業している作業員や通行している人にぶつかることもあるでしょう。そうなればぶつかった人は転倒し、ケガや最悪の場合死亡してしまうといった事故に発展してしまいます。事故防止のためには足場上にはつま先板を設置し、安全点検を行うことが必要不可欠です。

 

足場の崩壊や倒壊による事故

 壁つなぎの強度が不足していることや構造材の不足、地盤沈下によって足場が崩壊し倒壊するといった事故も発生しています。この事故が発生した場合には第三者への災害に直結してしまいますので足場の安全点検を厳重に行う必要があります。

 

安全に安心して作業ができる環境を

 建設業は安全完備が十分でない足場などで作業を行う危険の伴うことが多い仕事です。そのため転落や転倒事故などが多く発生するリスクが常に取り巻いています。様々なリスクを取り巻く業種であることから、作業をする労働者や第三者の身体や命を守るため安全確認をしっかりと行い対策を事前に行っておく必要があります。万が一発生してしまった場合には多額の賠償責任を負うことになるということも踏まえて備えておく必要があるでしょう。