建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

死傷事故の原因は?建設業のリスク

2016.07.22
分類:その他

建設業は全産業の中でも死亡者数が36%でワースト1位という業種です。その中でも、全産業の死亡事故の原因は交通事故が22%で墜落が25%という割合に対し、建設業は交通事故が12%で墜落が39%。圧倒的に墜落や転落による死亡事故が全産業内でも特に多く発生している状況です。

 

 

発生している事故原因は次の2つ

 建設業における事故の発生原因は、労働者本人の行動が原因によって事故が起きる不安全行動と、設備上のことが原因で事故が起きる不安全状態があります。発生している事故のほとんどが、これら2つの原因のどちらか、もしくは両方に該当しています。

建設業における事故原因の中身とは

 全産業の平均と比較した場合、建設業は事故災害の発生率が高い業種です。労働災害として認定されたもののうち、4日以上の休業を要する労働災害の約3割、そして死亡災害の約4割は建設業で発生しているものです。その中でも次の3大災害と言われているものが約9割を占めています。

・墜落、転落による災害

はしごや足場など、高所からの落下(墜落)や斜面からの転落などによる事故による災害のことです。

・建設機械、クレーンなどによる災害

フォークリフト、ブルドーザー、バックホー、ダンプトラックなどの建設機械との接触によりケガを負う事故や、クレーンやクレーンで吊った荷物にあたってしまう事故による災害のことです。

・倒壊、崩壊による災害

仮囲いや足場の転倒や高所からの物体の落下により物が人に接触する事故や、土留めや斜面、積み上げた荷物が崩れることによる事故による災害のことです。

大切なのは労働安全衛生

労働者が安全に働けるように上記のような事故を防ぐ体制を整えることはもちろんですが、事故は外傷によるものだけでなく疾患によるものも含みます。例えば、塗料などの成分を吸いこんでしまい有機溶剤中毒になったり、地中や地下で作業をしている場合に酸素欠乏症や一酸化炭素中毒になるといった事故です。他にも高度成長期の建築物の建替えの際には、解体作業時に石綿粉じんなどによる影響は、労働者だけでなく周辺住民に対しても十分配慮する必要があります。労働によって病気にならないように、労働衛生にも気を付けることが重要です。

建設業で発生する事故

工事現場ではたくさんの会社の人が1つの現場に集まって働きます。そこに集まる労働者の安全衛生を守るのは発注者から直接仕事を受注した元請会社なので、元請会社は元請工事現場で働く全ての人の安全衛生を守ることが必要と言えるでしょう。建設業で起こる事故の原因である3大災害をすべて防止できれば、発生する事故災害の9割を減らすことができます。そのためには元請となる会社がいかにして労働者の安全衛生を守るかを検討していく必要があります。