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「建築」と「建設」は何が違う?

2016.07.26
分類:その他

日常何気なく「建築」や「建設」という言葉を使っていると思います。ただ、この2つは良く似た言葉ですが何が違うのでしょう。

 

 

建築とは

 建築は明治時代にあった「造家学」が「建築学」に改められて生まれた言葉だという説があります。建築基準法で定義されている建築物とは「建築物を新築、増築、改築すること、または移転すること」とあります。

建築物とは

 道路・橋・ダム・堤防・鉄道などの土木作業による構造物を建築物と呼びます。家屋などの建物を土台から造ること、もしくはその技術や技法のことを建築というようです。家屋という人1つのくくりでも、ビルや工場、住宅など色々な建物が建築物として扱われます。そのため「建物=建築物」と考えるとわかりやすいでしょう。

建設とは

 上記の「建築」は「建設」に含まれる言葉であり、建築、土木、電設などの設備系も建設の守備範囲になります。建設という言葉についても建築の語源と同様に明治時代に入ってきた言葉です。「建設業法」によると建設関連の業種はかなり細かく分類されています。建築工事業、電気工事業、土木工事業、舗装工事業と様々な種類がありますが、一般的には建築と土木を合わせて建設と呼んでいることが多いようです。

建設は建築や土木の総称?

 例えば戸建住宅などを請け負う業者が「○○工務店」という名称であるのに対し、「ゼネコン」と呼ばれる建築と土木を両方請け負う会社もあります。「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手建設会社などは道路や地盤の設計や工事、建物づくりなど総合的な建築や土木などの建設に関わっていることになります。そのため「○○建設」という名称が使われているところもあります。

スーパーゼネコンの仕事は幅広い

 建設と名がつく会社だけあって、建築や土木だけでなく、設計事務所の建築士がデザインを行う職種、施工業者とも呼ばれる工務店が一括して行う工事など、分業制が取られています。土木専門の設計事務所、工事会社、ハウスメーカーなど住宅を設計・施工・販売する会社、そしてこれに必要な設備機械や材料をつくる会社などもあります。建設と一言で言っても実に様々なことがその言葉には含まれていることが業務内容を見ると理解できるでしょう。

結局、建築と建設の違いとは?

 専門家によって建設に含まれるのかどうかという認識は多少ずれがあるようですが、建築は新築、増築、改築などを行うことで、建設は道路や橋、建築物などの構造物を作ることを言います。どちらの言葉も人々が生きていく上での生活の向上や利便性を図ったり、広範囲に渡って大きな構築物を建てるという意味合いを持っています。まぎらわしく混乱しやすい用語ですが、しっかりと違いについて理解しておきましょう。