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建設業経理士とは?建設業からニーズが高いのはなぜ?

2016.08.03
分類:その他

建設業経理士という資格は一般財団法人建設業振興基金が実施している検定試験です。経理担当として仕事をしている人を対象としており、建設業で経理に携わる人が得ておきたい知識や処理能力を向上するための試験です。

 

 

建設業経理士は経審の評価対象

 ただの検定試験と違っているところは、建設業経理士の1級と2級合格者は公共工事の際に入札する企業を評価するための経営事項審査の評価加点対象の1つになっています。建設業界で必要な人材として高く評価される資格ですので、経理事務を建設業界で続けていきたいという場合には取得しておくことで企業アピールにも繋がります。

業界の会計の流れが把握できる

 特徴的な業界でもある建設業は、材料や人材を集めて受注した建築物を造り、引き渡すまでの業務や利益の出し方など仕事の流れを把握しておくことも必要となります。その点、建設業経理士1級と2級を取得している場合には、業界の流れをしっかりと把握していると認識されます。

建設業経理士以外の称号

 この検定試験では、難易度によって取得できる級を1級から4級まで準備していますが、1級と2級に合格した場合には「建設業経理士」、3級と4級に合格した場合には「建設業経理事務士」という称号が与えられます。

建設業経理士を目指すためには

1級では上級レベルの建設業簿記や建設業原価計算、会計学の修得、商法その他会計に関しての法規などの理解が必要になります。建設業の財務諸表を作成できて、それに基づいての経営分析までを行うことができる能力を必要とされます。2級は実践として使えるレベルの建設業簿記と建設業原価計算を基礎的に修得しており、決算等に関する実務も可能な能力が必要とされます。1級と2級ではかなり差がありますが、2級と3級の間にも呼び名(称号)が変わるだけに大きな差があります。1級の場合には1科目ずつ受験することができますので、5年以内に3科目すべて合格すれば1級合格になります。

建設業界でも呼び声高い資格だからこそ

 建設業経理士は建設業に関しての高いレベルで実務を行うことができることを求められる資格です。そのための知識や技術も必要となりますし、公共工事の入札時の「経営事項審査」では社内に建設業経理士が何人いるかによって評価点が違ってきます。それだけ高い評価を受ける資格ですのでしっかりと学んで資格取得に励む必要があるでしょう。実際入札などで建設業からニーズが高い資格とはいえ、求人を出してすぐに建設業経理士が見つかるわけではありません。しかし社内教育制度などを導入して、現在経理事務として働いている人のスキルアップを支援するほうが近道ですし、昇給制度を設けるなどすれば社員のやる気にも繋がるので検討してみてはいかがでしょうか。