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建設作業中に一人親方が事故に遭ったら労災保険で対応可能?

2016.12.09
分類:その他

労災保険は、仕事中や通勤途中に労働者が事故に遭った場合のケガや病気、障害、死亡などに対して保険給付が行われる保険制度です。
しかし労災保険の対象となるのは、基本的に労働者とされているため、一人親方や企業役員などは対象から外れます。

一人親方労災保険特別加入制度について
しかし対象から外れている人でも仕事中に事故に遭う可能性はありますので、労働者に準じた補償が必要であると言えるでしょう。
そのためこのように労働者とみなされない人たちでも労災補償が受けられるように、労災保険に任意加入することを認めています。その制度が一人親方労災保険の特別加入制度です。


一人親方労災保険に特別加入するには?
一人親方の人が労災保険に特別加入する場合には、一人親方の団体を通じて申し込みが必要です。
一人親方労災保険組合では建設業を営む人たちのために労働災害補償制度を提供しています。企業役員の場合でも従業員を雇用していない場合には一人親方として労災保険に加入することが可能です。
従業員を雇用している場合には中小企業事業主として特別加入できる場合もありますので問い合わせてみるようにしましょう。


一人親方の条件
一人親方労災保険組合で労災保険への加入対象となる一人親方は、建設業を営む中で労働者を雇用していない自営業者、またはその事業に従事する家族従事者や役員です。
一人で事業に従事する人以外でも、年間延べ100日未満しか労働者を使用しない人は該当します。
特定の会社に所属していても、会社とは請負で仕事を行っている人や、グループで仕事をしている場合や見習いで仕事をしていても、それぞれに雇用関係がない場合なども一人親方に該当します。


もし労災保険に特別加入していないと…
一人親方や役員などは労災保険に特別加入していなければ、建設現場で起きた労働災害に対する補償がないため建設現場へ入れないことがあります。
仕事中にケガを負っても元請会社の保険を使えば良いと考える人がいるかもしれませんが、元請会社の保険も使えませんので注意しましょう。


一人親方労災保険に加入するメリット
一人親方労災保険に特別加入をした場合には、仕事中のケガの治療で自己負担する必要がなくなります。また、給付基礎日額に応じた額の補償を受けることが可能になりますし、障害が残ってしまった場合でも、その程度と給付基礎日額に応じた額を障害補償として受け取ることができます。
また、死亡してしまった場合にも、遺族の人数と給付基礎日額に応じた額の遺族補償を遺族に残すことができます。
通勤災害の場合も一般労働者と同様の取り扱いです。


仕事中の事故への補償の確保を
建設現場で事故に遭うリスクは労働者も一人親方なども同じです。労災保険の対象にならなくても、特別加入という制度がありますので活用するようにしましょう。特別加入することで元請会社や所属会社も安心して仕事を委託することができるでしょう。