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建設業に多い墜落事故を防ぐために行うべきこととは?

2017.04.18
分類:その他

建設業労働災害防止協会が行った調査では、建設業は他業種と比べた場合、死亡災害の発生確率が高いことがわかっています。
建設業の労働者数の比率が全産業の1割程度と考えると、死亡災害の比率は約35%でかなり高い状況であると言えるでしょう。


労災死亡事故は減っても墜落事故は減らない
労働災害死亡者数は年々減少傾向にはあるのですが、墜落による死亡災害は毎年40%前後の比率で発生しています。
墜落による死亡災害が起きる場所は、最も多いのが足場からの事故で、他にも梁・母屋、屋上屋根、窓、階段、スレードなど様々な場所から起きています。


墜落による死亡事故の際の行動は?
足場から死亡災害が起きた時にどのような行動が行われていたかを分析した結果によると、既に組み上がっている足場上で作業や移動をしていた場合が56.8%、次いで足場の組立てや解体作業中が35.4%です。
ほとんどが足場からの事故ということがわかりますが、建設業は足場など高所作業は欠かせないことが多いため、常に事故が常に起こりやすい環境であると言えるでしょう。
そのため労働者の安全を配慮するためにも、高所作業における安全対策について考えていく必要があるでしょう。


労働安全衛生法における高所作業の定義とは?
労働安全衛生法では、地上から2m以上の場所で行う作業は高所作業であると定義しています。
これくらいの高さなら大丈夫と軽く考えずに、天井くらいの高さの場所での作業は高所作業として安全対策を講じていく必要があるでしょう。


高所作業の安全対策
高所作業の場合、まずは作業を安全に進めることができる環境整備が必要です。
脚立やはしごを置く場合に地面の凹凸を滑らかにすることも大切ですし、高所作業車を使うなら通行人の安全確保も必要です。
さらに足場を組んで作業を行う場合には、開口部や作業床にすきまがあると転落する危険もありますので塞ぐようにしましょう。

・落下防止装置の配置
どのように注意したとしても落下するリスクを完全に防ぐことは困難ですので、安全帯などの落下防止装置も必要です。正しく装着しているかなども確認しながら作業を行いましょう。

・昇降機の安全確認
昇降機の安全も確保できているか確認が必要です。作業場所の安全が確保できたとしても、昇降中に危険があれば意味がありません。

・安全教育の実施
高所作業を行うのはある程度の経験がある作業員であることが多いでしょうが、慣れていることで安全確保や注意が不足する可能性もあります。そのため定期的に作業員に対する安全教育を施していくことも実施しましょう。


事故を未然に防ぐために
ケガを負った作業員だけでなく、通行人を巻き込めば損害賠償責任を負うことになります。様々なリスクが取り巻く環境ですので、しっかりと安全整備を心がけて事故を防ぐようにしましょう。