建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設業が安全を確保しておくための保険とは?

2017.06.02
分類:その他

建設業を営む上で工事の保険は種類が多すぎ、どのような保険に加入すれば良いか迷うこともあるでしょう。
建設業と1つのくくりの中には、塗装、内装、水道、解体など様々な種類がありますし、元請か下請の立場かによっても状況は色々です。
種類や立場は関係せずに、工事を行う上で必ず加入しておくべき保険は、工事中や工事完了後に他人へ損害を与えた場合の賠償責任をカバーする保険、そして労働者や一人親方などが現場でケガを負った場合に補償する保険です。


工事中の他人に対する賠償責任をカバーするには
例えばビルの新築工事を行っている時にクレーンが横転して走行している車に損害を与えた場合や、外装の塗装中に通行人の衣服を汚してしまった場合、足場が外れて道具が落下して隣接している家を壊してしまった場合や通行人にケガを負わせてしまった場合など、工事現場で考えられるトラブルは様々です。
これらの事故が発生した場合の賠償責任は、「請負業者賠償責任保険」から補償されます。


工事完了後の対人・対物事故は?
例えば店舗の電気工事の配線間違いで電気系統がショートしてしまった場合や、マンションのユニットバス交換を行った後に防水設備が不十分で階下に漏水が発生した場合、ビルの看板設置がしっかりできておらず落下して通行人にケガを負わせてしまった場合など、工事完了後に引渡しが行われ、その後に対人・対物事故が起きることも想定されます。
この場合の補償は、「生産物賠償責任保険」や「PL保険」などで補償されます。


現場での労働災害は?
そして第三者に対する損害賠償に対する補償だけでなく、建設業を営むのであれば労働者に対する補償も必要です。
建設業は労働災害が発生しやすい業種ですし、死亡事故の発生率から考えると十分な備えが必要となります。
会社では労災保険に加入しているでしょうが、遺族から何千万円という賠償請求があった場合には支払いきれなくなる可能性が出てきます。
そのため労働者の不慮の事故に備えて、労災保険とは別で「労災上乗せ保険」への加入も検討しましょう。


労災上乗せ保険とは?
会社の従業員やアルバイト、下請けや一人親方など、会社の業務や工事に関係する人たちの業務中のケガに備える保険が労災上乗せ保険です。
建設業での政府の労災保険は特有で、それぞれの現場ごとに労災がかかっています。そのため現場で労働者にまさかの死亡事故が起きれば現場の労災保険を使うことになります。
労災上乗せ保険では、労災保険が適用された場合に保険金が支払われます。

・加入方法も簡単
無記名方式の保険となっており、従業員の人数だけで加入することができます。正規雇用以外のアルバイト職人などでも保険が適用されますので、加入していると安心です。
労使間でのトラブルを回避するためにも、労災上乗せ保険へ加入しておくことを検討しましょう。


建設業が加入しておくべき保険への加入を
このように建設業が加入しておくと安心できる保険は色々あります。建設業の種類や元請か下請かなどの違いで、どの保険が適しているかは異なるでしょうが、先に述べた保険はどのような職種や立場でも加入しておくべき保険ですので検討しましょう。