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建設業者が加入しておくべき「請負業者賠償責任保険」とは?

2017.10.20
分類:その他

建設業者を営むのであれば、例えば工事の目的物に損害が生じた時のための補償、工事現場で働く作業員に対する補償、近隣住宅や建設物、通行人などに対して賠償責任を負うことになった時のための補償など、備えておきたい補償は様々です。
特に賠償責任に対する補償は、額が大きくなる可能性が高いので加入しておくことが必要ですが、建設業者が加入しておくと良い賠償責任保険に「請負業者賠償責任保険」があります。


請負業者賠償責任保険とは?
請負業務を遂行するにあたり、所有や使用・管理している施設が原因で、他人の身体に危害を加えた場合や他人の財物に損害を及ぼした場合に補償する保険です。
建設業は業務の性質上、第三者に対しての損害金額が多額になる可能性がありますので、保険などで補償を確保しておく必要性は高いと言えます。
仮に訴訟となれば企業イメージも低下することが考えられますが、保険に加入していることで費用部分に心配がいらなくなれば、被害者に対して迅速に対応でき訴訟に発展しないで済む可能性もあります。


請負業者賠償責任保険で補償される事故例
請負業者賠償責任保険で対象になる請負作業には種類があるため、引受けされない請負作業でないかの確認は必要です。
また、請負業者賠償責任保険に加入していれば、例えば次のような事故が起きた時の損害に対して保険金が支払われます。
・ビル建設工事の足場が外れ、落下したことで隣接する建物を損壊してしまった
・ビル外装の塗装中、ペンキ缶を落としてしまい通行人の衣服を汚してしまった
・ビル改装工事中、誤って電気ドリルを落としてしまい通行人にケガを負わせてしまった
・ビル新築工事中、クレーンが横転して道路を走行していた自動車を損壊してしまった
・資材置場の材木が崩れて、近くで遊んでいた子供にケガを負わせてしまった


請負業者賠償責任保険で支払われる保険金
請負業者賠償責任保険から支払われる保険金には、次のような内容のものがあります。

・損害賠償金
法律上の損害賠償責任に基づいた負担すべき治療費や修理費等

・損害防止費用
事故発生による損害発生や拡大防止のための費用

・権利保全行使費用
事故発生で他人から損害賠償を受ける場合、権利を保全または行使するための手続費用

・緊急措置費用
事故発生時の緊急措置費用

・協力費用
引受保険会社が事故の解決にあたることに協力するために必要とした費用

・争訟費用
損害賠償に関する争訟で支出した訴訟費用や弁護士報酬等の費用


賠償責任に対する備えは保険で
賠償責任に対する補償を保険で確保しておく事は大切です。工事現場や資材置き場などで偶発的に事故が発生し、第三者や物などに損害を与えて損害賠償責任を負う事になった時のために必要ですので、必ず加入しておきましょう。