建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設業界の仕事は女性でも活躍できる場?

2017.10.26
分類:その他

建築や土木工学について大学などで学ぶ女性は増えていますので、本来であればもっと女性が活躍しても良さそうなところですが、男性が中心である業界のイメージがまだまだ強く女性が活躍しているイメージはありません。
実際に建設業で働く女性技能労働者は3.0%の割合で、全産業の平均値が約25%なのでかなり低い割合ですが、なぜ女性は建設業で活躍することが難しいのでしょう。


仕事は増えても労働者不足の状態
近年では東日本大震災の復興、景気回復等で仕事は増えているものの、建設業で働く就業者は減少傾向にあるので労働者不足の状態が続いています。
団塊世代の熟練技能を習得した労働者はリタイアし、次世代に技術などが受継がれないまま人員が不足しているという問題の深刻化も懸念されている状態です。


労働者不足には女性技能労働者が必要
この様な事を受けて、建設業で働く女性技能労働者を増やしていく取り組みなども始まっています。
女性が働きやすい現場の環境づくり、設備の整備などを行う企業もあり、例えばゼネコン各社では女性用トイレ、洗面所、更衣室の整備なども行われています。
しかし建設業で女性が活躍するためには、事務所の設備面を改善するだけでなく現場の環境整備も行う必要があるでしょう。


長時間労働を強いられる職場風土が問題に
そして長時間労働や年功序列を前提とした働き方も改善していく必要があると考えられます。自分の仕事は終わっているのに上司が仕事を終えないので帰りにくいといった職場風土は、育児や介護など仕事と家庭を両立させたい女性にとって負担になります。
長時間働けば評価される慣習は、仕事を終えても残業をしなくてはいけなくなったり、何か特別な理由がなければ休暇が取りにくいといった状況を生んだりと、成果や生産性を重視しない職場風土を作ってしまいます。


家庭と仕事の両立を成立させることができるか
また、出産や育児などでキャリアが一時的に途絶えてしまう可能性がある女性にとっても、年功序列型の人事制度はキャリアアップの阻害要因になっていると言えるでしょう。
これらの問題についても解決していく必要がありますが、実際に女性が建設業で活躍できるようになれば、建設業の労働者不足を解消できるのでゼネコン各社だけでなく中小企業にも大きなメリットになります。


女性が建設業で活躍するメリットを得るために
男性よりもコミュニケーション能力が高い人が多く、施主との交渉やコミュニケーションが円滑に進む可能性もあるでしょう。
また、育児や介護など家庭と仕事を両立させたいと考える女性社員は時間を上手く使うことを考えるので、定められた労働時間内で業務を効率的に進める事が出来るとも考えられます。
今後は建設業で女性が活躍できるように、人事や勤務体制の改善や職場環境の整備を積極的に進めて行く必要があると言えるでしょう。