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建設業で起きる労災事故の背景には人手不足が関係している?

2018.01.11
分類:その他

現在、ゼネコン各社が力をいれているのは、建設現場における作業の安全対策です。再開発など首都圏を中心として工事が繁忙を極めている中で、事故が起きれば負傷した当事者だけでなく、多くの関係者に影響を及ぼすことになります。
作業者に対して注意喚起を行い、高い安全意識を持ってもらうことがとても重要だと言えますし、人手不足なども解消していくことが必要だと言えるでしょう。


なぜ建設業は人手不足?
建設現場で事故が発生する背景として、短期的に工事が忙しくなることで人手不足が生じるといったことが考えられます。被災地の復興やオリンピック需要などで、建設業も息を吹き返したかのように見えるかもしれません。
しかし地方の建設業界では公共投資が大幅減額など、決して良い状況とは言えないでしょう。若い人材は不足している状態でありながら、技術者は定年退職を迎え現場を仕切ることができる技術や能力がある人材は不足していると言えます。


雇用した人材の経験不足も事故に関係する?
労災事故が微増していること背景には、採用した若い人材の経験不足も関係しています。経験が少ないということは想像力にも欠けるため、先にどのような危険が待ち受けているか察知することは難しいでしょう。
仮に経験豊富な人材を確保しようとすれば、どうしても高齢者に偏ってしまうので現場作業員として雇用することが難しくなっています。


世代によって起きる事故の種類が異なる
このようなことからも分かるように、建設業で事故が起きる世代で多いのは、若年世代と高齢世代の人たちです。
若年世代は、はさまれや巻き込まれ、有害物との接触といった経験不足で起きる事故が多く、高齢者は、墜落や転落、転倒といった身体の衰えや注意不足が原因で起きる事故が多くなっています。


事業者ができることとは?
建設業は事故に遭う可能性が高い業種ですので、安全設備の備えや教育の実施は必要だとわかっていても、現実的にそれらに充てる予算や時間が不足している状況です。
しかし作業者の安全確保は事業者の責務なので、経験の浅い人や高齢の人たちに向けてしっかりと対応するようにしましょう。


万一のために労災の上乗せ保険なども検討を
また、どのように注意しても労働災害は起きる可能性があります。
建設業では特に労災事故が起きる可能性が高いので、労災上乗せ保険なども備えとして検討しておいたほうが良いでしょう。労災上乗せ保険は、第三者に対する賠償保険とならべて必須の保険だと言えます。