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建設の一括下請けという丸投げは禁止!正しい下請契約が必要!

2018.04.20
分類:その他

建設工事を請け負った元請会社が、下請に全ての工事を丸投げして行わせる一括下請けは禁止されています。
一括下請けは工事を全て下請に丸投げするというケースもあれば、工事の一部が独立している事で元請が全く関与しない状態で請け負わせる事も丸投げに該当しますので注意してください。


なぜ丸投げは禁止されている?
建設工事は重層的な下請関係になっていることが一般的なのですが、下請発注が繰り返されることで責任の所在が不明確になる可能性があります。
また、元請会社が利益だけ搾取して下請を働かせるようになれば、下請は手抜き工事を行って、施工品質の低下は発注者である顧客にはね返ることになってしまいますので、発注者を守るために禁止されています。


もし丸投げを行った場合には?
もし丸投げに建設会社が関与した場合、15日以上の営業停止処分を課すことになっています。元請と下請、どちらにも同様に科せられることになるので注意してください。
なお、建設業法で原則禁止されている丸投げと呼ばれる一括下請けとは、元請会社が下請の施工に対して実質的に関与していると認められない場合です。
そのため元請会社が実質的に関与していることが評価できれば、禁止される丸投げには該当しない可能性もあります。


実質的に関与していると判断されるには?
企画から施行、管理など、全てにおいて元請会社が主体となる役割を果たしているかを判断することになります。
なお、例外として、公共工事や民間工事の共同住宅新築工事を除く場合で発注者の書面による承諾がある場合には一括下請けが可能です。ただし品質の低下を招くという意味でも、原則として行わないほうが良いと言えるでしょう。
仮に一括下請けが可能なケースでも、義務付けられている監理技術使者や主任技術者などの設置義務は変わりませんので、下請を適切に監督することが重要です。


工事請負契約は書面で!
なお、工事請負契約が存在するのか、そしてどのような内容なのかを証明する書類に「工事請負契約書」があります。
契約書があることで、仮に取引先とトラブルが起きた時に証拠として活用することができますので必ず作成した上で契約を結ぶようにしましょう。
元請会社が下請に工事請負契約を行う場合には、書面で契約を締結することが義務付けられています。発注者と元請、元請と下請というように、どちらの間でも書面での契約が必要です。


工事請負契約書を用いない場合は?
注文書と請書だけで工事請負契約を締結してしまうと、建設業法で規定されている義務をはたすことにはなりませんので、注文書と請書を利用するなら、「基本契約書」または「基本契約約款」も必要になることを理解しておきましょう。