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建設現場の大工職人が使う古くからある道具とは?

2018.06.08
分類:その他
昔から日本古来の木造建築のために、大工職人が使用してきた手道具には色々な種類があります。 建設業の基本とも言える大工道具は、電動工具やエアー工具が主流となり、電気を使わない手道具は少なくなったのが現実です。しかし、まだまだ現役として活躍させることができる作業も多く存在していますので、どのような種類の道具があるのか確認しておきましょう。

大工道具は実に様々な種類が!

昔から使われている手道具は、大工職人の手に馴染んだ職人技を発揮するために必要不可欠なものばかりです。 その中でも代表と言えるL字型の金属製の道具に「指矩(さしがね)」がありますが、表裏と内外に目盛が付いている道具で色々な使い方があります。ただし、その使い方全てを把握するのは長年働く大工職人でも難しいと言われているほどです。 また、板に描かれた平面図を「板図板(えずいた)」と言いますが、柱や土台、桁などを墨付けることに用いますがこちらは一般の人にはあまり馴染みのない呼び名かもしれません。

一般家庭で使われている道具も含まれる

直角の確認や木材への墨付けに使用する道具として「スコヤ」、プラスターボードを切るときに使用する「アルミ定規」、土台を伏せる時に使う「巻き尺(まきじゃく)」などもあります。 建方、造作工事の時に身に付けておく「腰道具(こしどうぐ)」、アリ、カマ、ホゾ穴の印を付ける刻みの為の道具を「カーペンターゲージ」、そして大工道具の定番とも言える釘を打ち、叩く道具として「玄翁(げんのう)」があります。玄翁は打面が2つ対称的に備えられているものを指しますが、「金槌(かなづち)」や「トンカチ」のことと言えばわかりやすいでしょう。 他にも杭を打ち込む時や物を打ち壊す時、主には建前に使用する「掛矢(かけや)」がありますが、こちらも「槌(つち)」という呼び名に馴染みが深いかもしれません。

呼び名は色々でも昔から今に受け継ぐものばかり

「鋸(のこぎり)」は押し引きを繰り返して材料を切断するための道具ですが、上下に刃が付いたものは「両刃のこぎり」です。 木材に穴を掘ったり彫刻するために使う「鑿(のみ)」、材木の表面を削り加工するための「鉋(かんな)」、材木に直線を引くことや地墨や腰墨を引くことに用いられる「墨壺(すみつぼ)」、てこの原理を利用して釘を抜く作業などで使われる「バール」や「江戸っ子釘抜き」、小さな穴を空ける工具である「錐(きり)」などは、一般の人でも耳にしたことがあるような道具の名称だと言えるでしょう。 他にも鉛直を調べる道具「下げ振り(さげふり)」、ボルトやナットを素早くしめるために使う「めがねレンチ」、斧の一種である「釿(ちょうな)」、木材同士を繋ぎ合わせるために使う「鎹(かすがい)」など、他にも道具は挙げていけばきりがありません。

手に馴染んだ道具は職人技そのもの

形を変えて利便性や効率性を高めた道具も存在していますが、古くから使われていた職人技そのものと言える道具も多くあると言えるでしょう。