建設業界での人材供給不足は深刻化しており、中途採用など人材を募集しても集まらないこともしばしばです。
建築や土木関係の有効求人倍率を見ると上昇している傾向にあるのに対し、技術人材は不足している状態が続いています。東京五輪に向けた建設技術人材に対する需要は続いているのに、建設技術者として働くことを希望している人は増えていないことを表していると言えるでしょう。
人材不足が深刻で厳しい中、建設技術者の転職者の中心は即戦力となる40代のベテラン技術者が多いようです。建築土木の設計や施設管理、設備系施工管理などの転職者が多く見られますが、将来的なことを視野に考える場合には20代の若手の転職希望者を中途採用したいはずです。
多くの若手技術者を確保し、ベテラン技術者として育てていきたいと考える場合、若手人材の中途採用に力を入れたいところかもしれません。
建設技術者が転職を考える場合、給与や勤務地を最も重視する傾向が高いといえます。次に職種や業務内容、あとは勤務や残業の時間、休日・休暇など労働時間や日数の長さなども注目されるポイントです。
給料はこれまで働いていた会社よりアップさせたい、けれど自分に合う仕事内容なのかなど、ワークバランスを高めることを目的として転職を希望する傾向が強いといえます。
ただでさえ人材が集まりにくい業界の上、中途採用で新たな人材を獲得できるようにするためには、従来のような待つ形での採用戦略では不足すると考えられます。
求人検索エンジンや求人サイト、人材紹介会社など、色々な方法などを利用しながら転職希望者を募ることができる状態を多様化していくことが重要だといえます。
さらに転職希望者が求めているワークライフバランスを向上できるように、週休2日制導入や残業削減といった労働環境を整備していくことも必要になるでしょう。
また、職場環境も向上させていくことも必要になります。人材不足解消のためには、女性や外国人なども積極的に登用することを検討していくことも必要です。そのためには職場環境を見直すことも大切になるでしょう。
例えば女性専用のトイレや更衣室の設置などが具体的な例ですが、職場ごとにできる対応策は異なります。
設備を古いものから新しいものへと変えることも職場環境整備になりますし、賃金や制度の見直しまで幅広い部分で働きやすさを確保していく必要があるでしょう。