建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設現場の足場で起きる事故を防ぐためにはどうすればよい?

2018.08.28
分類:その他
ビルやマンション、病院、ホテル、学校といった建物、そして道路や橋などの建造物など、完成させるまえにはその現場で働く人たちの作業が安全にできる設備が必要です。 作業を行う仮設設備を足場といいますが、この足場があってこそ、初めて作業が可能となります。 しかし、この仮設足場ではいろいろな種類の事故が発生しているのが現状です。企業では仮設足場の安全対策を十分に講じるように検討してください。

実際に足場で起きている事故と対応策

足場の組立・解体作業中、手すりがなかったことで作業員がバランスを崩して墜落する事故が多発していますので、必ず手すり先行工法を実施するようにしましょう。 また、交差筋交いだけでは開口部が広いことから、足場上で作業員が墜落する可能性があり、実際そのような事故も多発しています。足場の全層に二段手すり、さらにつま先板を設置することが必要不可欠であると理解しておきましょう。 壁つなぎの強度や構造材が不足していること、地盤の不等沈下などで足場が崩壊・倒壊する事故も起きています。第三者災害に直結するため、いずれの場合も事故防止のための足場の安全点検は欠かせないといえるでしょう。

足場からの墜落事故を防止するために

このように建設現場の足場からの墜落・転落が多発していることから、厚生労働省では、足場を安全に使用するために、平成27年7月1日から足場に関する墜落防止措置などを定める労働安全衛生規則を改正しています。 足場からの墜落防止措置を強化するために改定された内容は次のとおりです。 □足場の組立て作業などにおける墜落防止措置 ・足場材の緊結などを行うときは幅40cm以上の作業床を設置する ・安全帯取付設備を設置して労働者に安全帯を使用させる □足場の組立て作業などの特別教育を実施 ・足場の組立て、解体、変更などを行う作業には、特別教育を必要とする □足場の組立て後は注文者も点検を ・元請事業者等の注文者は足場や作業構台の組立て、一部解体、変更の作業が行われた後で、作業開始前に足場の点検・修理を行う □足場の作業床に墜落防止措置を充実させる ・床材と建地との隙間は12cm未満に ・作業を行う上で足場などから臨時に手すりなどを取り外す場合には、関係労働者以外の立入禁止を徹底し、作業終了後は迅速に元に戻すこと □鋼管足場(単管足場)規定の見直し ・鋼管足場の建地の最高部から31mを超える部分の建地でも、建地の下端に作用する設計荷重が最大使用荷重を超えない場合、鋼管2本組でなくてもよい

一層事故を防止するために必要なこと

また、足場からの墜落・転落災害をさらに防止するために、足場の組立図を作成して手すりなど墜落防止設備の設置・点検を確実に行うようにしましょう。 最終的には一人ひとりの安全意識の高さが重要になります。足場上での作業手順の徹底、点検、定期的な教育など、不安全行動を生じさせない安全意識の高揚を図ることが大切です。