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建設業ではフルハーネス型安全帯の着用が義務付けられる?

2018.09.14
分類:その他
「フルハーネス」と呼ばれている安全帯は、高所作業を行う職人にとって大切な命綱となる器具です。そのため、身体のサイズや現場の状況にあったものを選び、しっかりとメンテナンスを行うことが重要になります。 日本は安全基準が進んでいると思うかもしれませんが、フルハーネスに関しては欧米諸国のほうが日本よりも格段に普及し、胴ベルト型のハーネスはほとんどの現場で禁止され、フルハーネス型の着用義務化が進んでいる状況です。 フルハーネスは通常の安全帯より値段も高いと感じるでしょうが、安定感や安心感を高めるために必要です。

従来の製品は使用が禁止に!

建設業界で起きる事故の多くは、落下や墜落によるものです。そのため、厚生労働省では、フルハーネス型安全帯の着用を義務付ける新ルールを、2019年2月から労働安全衛生法に適用することになりました。 また、2022年1月からは、現行規格品の着用や販売が全面的に禁止されます。従来型の安全帯は、胴回りにベルトを巻き付けた形なので、墜落時にはそのベルトがずり上がってしまいます。 そうすることで、身体がくの字になり、腹部や胸部が圧迫される恐れがあるだけでなく、ベルトから体がすり抜けて落下するという危険性も高いといえるでしょう。 実際、安全帯を着用していたのに労働者が死亡する事故も発生しているため、安全帯の規制の見直しが必要と判断されたことが理由です。

建設業では墜落や落下による事故が多発!

建設業での死亡や死傷災害は現在現象傾向にあるとされていますが、それでも全産業の3分の1を占める死者数であるのは問題です。 建設業での起きる事故のうち、墜落・転落に起因する死亡災害は45.6%、死傷災害は34.4%であるなど、いかに墜落や転落災害を防ぐかが重要といえます。 そのため、新たに設けられるルールでは、高さ6.75m以上の場所ではフルハーネス型安全帯の着用を義務化し、建設現場では5m以上の場所で着用することが求められます。

補助金などの導入予定は?

厚生労働省によると、安全帯を買い替えするときに使える補助金が導入される予定はないようです。買い替えるとしても、単価は2~3万円程度で比較的手に入りやすいことや、手続きの煩雑さなどが補助金の検討がされない理由といえるでしょう。 メーカーが推奨する耐用年数は2~3年なので、2022年1月までの猶予期間の間にフルハーネスに買い替えてもらうことを検討しているようです。