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建設工事において工期の設定で注意しておきたいこととは?

2018.10.22
分類:その他
建設工事の請負契約については、建設業法において受発注者が対等な立場で合意し、公正な契約を締結して履行することが必要です。 工事内容、請負金額、工期などは書面に記載することが必要ですし、不当に低い請負代金は禁止されています。 また、注意したいのは、労働安全衛生法において、施工方法や工期など、労働者が安全で衛生的な作業を遂行できる状況でいられるように配慮しなければならないことです。

建設工事の工期を設定する上で

受注者は、下請も含め建設工事に従事する労働者が、時間外労働の上限規制を超える長時間労働を行う前提として、工期を短く設定することは避けなければなりません。適正な工期の下で、設計図書等に基づいた目的物を完成させ、契約で定めた期日までには発注者に引き渡すようにしてください。 民間工事の場合、発注者は設計図書などおける仕様や施工条件などを示し、その上で受注者は施工に必要な工期を発注者に提示します。双方が納得できる条件のもとで、請負契約が締結されることが基本です。受注者は請負契約を締結する際に、適正な工期を設定し、なぜその工期となるのか考え方等を発注者に適切に説明しましょう。 また、下請契約を締結する場合の受注者は、適正な工期で一次下請契約を締結しなければなりません。受注者と発注者で設定する工期は、それ以降の下請契約で設定する工期を前提としたものであることを十分認識しておくことが必要です。

適正な工期を設定するために考慮すべき内容

工期を設定する場合には、現場技術者や下請、技能労働者など、建設工事に係る全ての人たちが、時間外労働の上限を超えた長時間労働を行うことがない様にしましょう。 工事の規模や内容、難易度、地域の実情や自然条件、施工条件などを踏まえた上で、週休2日の確保など条件を適切に考慮しておく必要があります。 その他、考慮すべき内容は次のとおりですので、参考にしてください。 ・施工に先立って行う必要のある、労務、資機材調達、調査、測量、現場事務所設置といった準備期間 ・ 施工終了後の自主検査、清掃等の後片付け期間 ・ 降雨日や降雪など作業不能日数 ・ 用地買収や建築確認、道路管理者との調整など、工事着手前に発注者が行う事項がある場合には、その手続きに必要な期間 ・ 過去の同種類似工事で見込みより長い工期を要した実績が多い場合における当該工期の実績など

安全を十分に確保できる労働環境が重要

適正な工期を設定し、その期間を確保することは、担い手の処遇改善などの働き方改革に繋がると言えます。 特に建設業は事故などが多く発生する業種なので、無理の生じない働き方が大変重要です。労働者に長時間労働を強いるような短期での工期設定は行わない様にしてください。