建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設業者として円滑に経営を続けるために大切なこととは?

2018.12.08
分類:その他
建設業は景気が上向きといわれているものの、実際にはまだまだ不況業種とされています。 震災復興支援や東京オリンピックの影響で、需要は高まっていると言われていますが、時際には一時的なものとも判断できるからです。 将来的に公共事業の縮小が進み、公共工事に頼っていた事業所などは経営が苦しくなる可能性もあります。大手ゼネコンの業績が悪化すれば、その下請けや孫請け、曾孫請けなどの下請構造はすべて影響を受けるでしょう。 このような建設業界独自の構造なども踏まえて、中小建設業者は経営環境の厳しさを再度把握しておくことが必要です。 その上で、今後、受注や売上、資金繰りなどで悩むことにならないために、常に注意しておきたいことを確認しておきましょう。

資金繰りに困っても建設業は融資を受けにくい?

建設業が資金繰りに悩んだ時、真っ先に金融機関からの融資を頼ることがほとんどでしょう。 しかし、建設業は金融機関から融資を受けにくい状況ともいえるので、計画性のある資金管理が重要になります。

どのような書類が必要?

特に、現場ごとの損益管理を行った現場台帳、そして現場経費と一般経費を分けた入金支払予定表の管理は重要です。 どちらも建設業では作成されることが当然と思うかもしれませんが、実は作成されていない場合も意外に多くあります。 この2つの書類は、資金繰りが厳しい中小建設業なら、金融機関から融資を受けるときに重要な資料として扱われます。

末永く経営を続けるためにはどんぶり勘定はタブー

中小建設業の経営者の中に、現場台帳が作成できない状態にあるという方はいないでしょうか。実際、中小建設業はまだまだどんぶり勘定で処理していることが少なくないようです。 実際、建設業の会計業務は一般会計と異なり複雑です。さらに工期が長期に渡る場合、一定の会計期間内での収益管理が難しいケースもあるでしょう。 この場合、売上を計上するタイミングを分け、収益管理を行っていくことが求められます。 □2種類の売上基準とは? 売上計上のタイミングで分ける売上基準は、工事完成基準と工事進行基準の2種類です。 工事完成基準は、工事が完成して引き渡しが完了した日に収益を認識する方法です。 工事進行基準は、決算期末に工事の進行程度を見積もっておき、適正と判断できる工事収益率で工事収益の一部を損益に計上する方法です。

事業を継続していくために

建設業の会計処理は非常に面倒だと思うかもしれませんが、正しい会計処理が行われていなければ金融機関から融資を受けることはできなくなってしまいます。事業を継続していくためにも大切なことであると理解しておくようにしましょう。