建設機械が関係する作業は死亡災害が多い?事故を防ぐために必要なこと
建設業界は死亡災害事故が多発する業種と言われていますが、その中でも土木工事関連は建設機械が関係する作業が多く、死亡災害事故が発生しやすくなっています。
事故が起きないように、建設会社でも安全対策に努力は行っているでしょう。しかし、実際に起きた事故内容を分析すると、どこに原因があるのか再度確認が必要と言わざるを得ません。
安全対策の落とし穴を確認し、再度、建設機械による事故が発生しないように努めていきましょう。
なぜバックホウでの死亡災害が多い?
掘削作業の際、バックホウでの死亡災害事故が圧倒的に多く発生しています。中でも多いのは、後退する時に作業員を轢いてしまう事故です。
敷き均しや整地作業で発生する事故が多いのは、バックホウの行動範囲内で作業を行わなければならないことが原因と考えられます。
旋回する時には、側方や後方にいる作業員、通り抜けを行う作業員に気が付かず、事故が起きるというケースが少なくありません。
前進時も機体前方の安全確認が十分ではなく、道路を移動している時に路肩に寄り過ぎてそのまま転落する事故が起きているようです。
前方の注意も十分にできていない?
排土板を使った土砂の押し均し作業についても、斜め前方にアームを向ける時の前方確認が十分にできないことがあるようです。
バックホウは側方や後方だけでなく、前方も注意が必要なので、動かしている時はいつも危険が生じていることを理解しておく必要があります。
これくらいなら大丈夫という過信が事故を招く
盛土作業を行う時も、斜面を移動する時の転倒事故が多発しています。
アームを持ち上げた姿勢のままで斜面を移動することで、機体がバランスを失うことが原因といえるでしょう。
クレーンの場合と同じように、安定したギリギリの状態は転倒の一歩手前と考えるべきです。
これくらいは大丈夫だろうという過信が、重大事故を引き起こすことを理解しておく必要があります。
誘導員の教育をしっかり行うことも重要
そのためにも誘導員もしっかりと教育が必要と言えるでしょう。
工事現場では、いつバックホウが後退して作業員に近付くか確認できませんので、誘導員による安全確保が大変重要です。
しかし、バックホウの知識が十分でない人に誘導させることは難しいと考えられます。誘導くらいなら誰でもできると軽く考えてしまい、何の教育も行わないのは大変危険です。
製造業などでは、もし機械に作業員が手を入れてしまうと自動的に停止する対策が講じられています。工事現場において、製造業の機械と同じように自動防御の働きをするのが誘導員や監視員なのです。