建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事現場で作業員が日報を記録する目的とは?

2019.01.28
分類:その他
建設工事の現場において、作業員がつける作業日報はなぜ必要なのでしょう。すべての作業員が毎日つけていくことになると、事務処理の量としてはかなりのボリュームになってしまいます。 それでも作業日報は日々記載が必要だと徹底する現場も少なくないわけですが、その理由は何なのか、作業日報の重要性を理解しておきましょう。

日報を記録することでできること

作業員が作業日報を記録していく主な目的は労務管理であり、それがコスト管理、結果として利益の拡大に繋がります。それぞれどのような意味を持つのか、内容を確認しておきましょう。 □作業日報で行う労務管理 すべての作業員が毎日、どのような業務を担い、作業として行ったのか、始業時間、就業時間、残業時間などを記録していくことで、適切な働き方かどうか確認することができます。 労務管理において、作業員の働き方が適切かどうかは最も重要な部分です。もし働き過ぎている作業員がいる場合、それが心身に悪影響を及ぼす可能性もありますし、反対に何も仕事をしていなければ雇用して給料を払っている以上、会社は損をします。 そこで、作業員に日々作業日報を記録させ、労務管理に活用することで適正な労働環境を整備できることに繋げることができます。 □作業日報で行う「コスト管理」 元請は、同じ現場の下請業の従業員の分の作業日報も記載するか、もしくは下請が記載した作業日報を集計しています。そのため、元請は自社だけでなく、下請の従業員の日報データも保有することになるのです。 元請が現場で働くすべての作業員の作業日報を集計することで、想定していた労働力と実際の労働力を比べ、その後の納期や人件費に影響がないか確認することが可能です。 もし実際の労働力が不足していれば、人手不足により納期が遅れてしまったり、残業代が多く発生する可能性も出てくるでしょう。反対に実際の労働力が余るようなら、人件費が多くかかっていると判断できます。 作業日報を分析することで、適正な労働力の確保に繋がり、工事の質を落とさずコスト削減にも繋げることができるでしょう。 □作業日報で生みだす「利益」 作業日報でコスト管理を行い、コスト削減に繋げることができれば、例え発注者から受け取ることができる請負代金が増えなかったとしても利益を増やすことが可能です。 建設工事で発生するコストの中でも、人件費は高い割合を占めるため、人件費の見直しは利益を生むことに貢献しやすくなるといえるでしょう。

作業日報で建設会社の利益に繋げる

作業日報を日々記録することで、労働の実態を確認し、適正な労働環境をつくることができます。さらに人件費にかかるコストを管理して、その後、生産性が高い状態で労働力を活かすことができます。会社の利益を最大化するための大切な書類ですので、日々記録することを徹底させるようにしましょう。