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建設業が目標としたいのは粗利益の向上!その理由とは?

2019.02.28
分類:その他
本気で経営に取り組もうと考えた場合には、建設業なら売上高、製造業なら販売数などに目標を設定し、営業を徹底強化するなどに取り組む会社も少なくないでしょう。 しかし、経営状況を改善させようと思う時に、目指したいのは「粗利益」の向上です。その理由は何なのか、そもそも粗利益とは何をあらわすのかご説明します。

粗利益とは?

粗利益は会計上の「売上総利益」のことですが、「売上高-売上原価=売上総利益」で算出することができます。 建設業会計では、売上高は「完成工事高」、売上原価は「完成工事原価」のことを指しますが、完成工事原価に含まれる項目には、材料費、労務費、外注費および経費などが挙げられます。 この粗利益を設定することは経営方針そのものといえるでしょう、

利益率はどのように設定する?

利益率は、売上高(完成工事高)に対する粗利益の割合のことですので、いくらで設定するのかが問題となります。 売上は受注する量を増やさなければあがらないので、受注量を増やせば管理や施工する労働者の負担が重くなることを理解しておく必要があります。 すでに十分に足りるほどの社員がいるという場合はよいでしょうが、建設業界は人手不足が問題視されているため、少ない人数で受注量を増やせば個人の負担が重くなり、ミスや事故などが起きやすくなってしまいます。 そこで、受注量は現状を維持する前後で設定し、現場に全力を尽くし原価管理を行うことを徹底しましょう。それにより、粗利益額と売上高が決まれば、利益率は何%を目指せばよいか算出できるはずです。

目安となる建設業の利益率

建設業にもいろいろと種類はありますが、目安として利益率は20%程になることがほとんどです。ただ、あくまでも目安ですので、さらに多くてもよいですし、一気に高利益率の設定は厳しいと感じるなら低めに設定してもよいでしょう。 大切なのは、粗利益額を達成するための利益率を把握することです。規模の大きな工事では粗利益率は下がりますが、規模の小さい工事では上がるなど、顧客規模や部門種別によって利益率は違ってくる点に注意しましょう。

粗利益は企業の競争力を示す数字!

粗利益はまさに競争力をあらわす数字ともいえます。競争力が高ければ、他社と同じ内容の仕事をしたとしても、付加価値がプラスされて粗利益は向上します。 効率良く仕事をできる能力や材料の仕入れのノウハウを持っていれば、売上原価を下げることができ、その分、他社よりも粗利益が高くなるという計算です。 売上高を上げることも大切ですが、そこから売上原価を差し引いた粗利益を向上させることを目標に設定していきましょう。