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建設会社やハウスメーカーを介在しないCM方式とは?

2019.04.17
分類:その他
CM方式とは、建築主の代理人であるコンストラクションマネージャーが、建築主を代行して、分離発注・設計・施工管理を行うことによって実施される方式のことです。 コンストラクションマネージャーは建築や設備の専門家であり、技術的な中立性を保ちながら発注者側に立って、基本的な計画や設計、工事発注方式などを検討していきます。さらに工程やコスト管理など、マネジメント業務も請け負いながらマネジメントしていきます。 一括発注とCM方式による発注の違い 一括発注の場合、建築主からハウスメーカーや工務店に依頼し、そこから下請会社に業務委託するという流れです。 これが分離発注になると、建築主とコンストラクションマネージャーがマネジメント形式で契約を結んだ上で、専門工事会社に分離発注方式で依頼をかけていくことになります。 住宅はなるべくローコストに抑えたいけれど、長持ちする家を建てたいと思うものでしょう。本来、建物の性能なども建築主の意向が反映させるものであることが望まれます。 しかし、一括発注では、効率的にその作業が進むともいえず、建築主の意向などが反映されにくいという問題も抱えます。

■CM方式なら低コストが実現しやすい

低コストでありながら、建築主が望む性能を実現させる手段として、分離発注によるCM方式が注目されるようになっているのです。 全ての業種が元請業者となるため、専門工事会社の工事明細が建築主に明確化されるというのもメリットとなっています。一括請負で発生する工務店の価格構成や配分のような不明瞭な部分はなくなるからです。 そのため発注元となる建築主にしてみれば、ローコストできる手段として期待できる手法といえるでしょう。 建築主にとってはメリットの大きい方式ではある 発注者は自らの体制、専門性の質的や量的補完を図ることが可能となります。補完する必要のある事項は異なるものの、小規模のプロジェクトでも十分な効果を発揮できます。 コスト削減や工期短縮、調達までのプロセスやコスト構造、さらにプロセスを可視化することで説明責任をしっかり実現可能です。 建築主も積極的に参加することになるので、意向を確認しやすいというのもメリットといえるでしょう。 CM方式のデメリット 一括発注よりは労力や責任などが重くなるともいえますし、あまり日本では一般的に馴染みのない方法かもしれません。 また、下請け業者が存在しなくなるため、すべて専門業者と請負契約を交わすことが必要となります。どこの専門業者と契約するのか、選定も行う必要が出てくるでしょうし、委託業務や発注業務に対しての支払い責任や、リスクを移転するための保険加入など様々な手間は発生するといえます。 ただ、コストを抑えるという意味では有効な方式とも考えられるため、今後、日本にだんだんと馴染んでくればCM方式での発注が増える可能性は出てくるでしょう。