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建設業者の実力を点数化する経営事項審査は何を目的に行う?

2019.04.24
分類:その他
建設業者の方で、経営事項審査について気になるということはないでしょうか。そもそも経営事項審査とは何なのか?という方もいるでしょうが、まさに建設業者としての実力を点数化する作業といえます。 公共工事を受注したいという場合、どこに依頼するのか決める行政にとって、何か基準が必要となります。 そこで、申し込みのあった建設業者の実力を点数化し、どこに依頼するのか決めるという仕組みが経営事項審査です。 公共工事の受注には経営事項審査を受けることが必要 公共工事を受注したいなら、まずは経営事項審査を受けなければならないという事です。さらに経営事項審査を受ける場合には、建設業許可を取得していることが前提となります。 本来、500万円未満の建設工事であれば建設業許可を取得する必要はありません。しかし、公共工事の場合、例え500万円未満の工事でも、経営事項審査を受けることが必要になるため、その前提条件である建設業許可は取得しておくことが求められます。 建設業者として法人設立したばかりで、建設業許可を取得しても時間がまだ経過していないという場合でも、経営事項審査を受けることは可能です。 入札参加資格の格付け 経営事項審査は、公共工事を元請業者として役所から受注したいという場合には、必ず受審する必要があります。 入札に参加する資格の格付けがなされることになりますが、それぞれ設けられた項目において、高得点で格付けが高いと判断されるほうが、受注できる公共工事金額も高くなります。 ただ、格付けで決まったランクごとに、公共工事に入札できる範囲の定めがあります。 ランクが下の企業は、基準より上のランクの工事に参加できませんが、上のランクの企業も下のランクの工事には参加できません。 高いランクに位置づけられた場合、低いランクの工事は受注できなくなるので、上位ランクの企業がすべて独占するという事はありません。 □客観的事項の評価 格付けは客観的事項と主観的事項の審査で評価されます。そのうち、客観的事項の評価とは、公共工事を発注する機関が、経営事項審査の結果を基に評価する仕組みです。 経営事項審査を受けた場合には、経営状況、経営規模、技術力、その他の審査項目(社会性等)を数値化した上で評価された結果が通知されることになります。 この経営事項審査の結果を用いて、客観的事項について審査されることになるので、経営事項審査の点数が大きく評価に関係するといえるでしょう。 □主観的事項の評価 公共工事を発注する期間が独自に評価する項目が主観的事項となりますが、一定基準を設置したもとで、客観・透明な評価がなされます。工事の性格や地域の実情、目的などに基づいた判断での評価が行われます。 なぜ公共工事の入札参加資格の格付けが必要? 公共工事の競争入札は価格競争となりますので、資金力の高い大企業のほうが有利であるといえます。 もし格付けなく全ての建設会社が入札に参加できるとしたら、中小の建設業者は入札に参加しても勝てる見込みがなくなるでしょう。 そこで、入札に参加する資格に格付けを行って、小規模工事には大企業が進出できないような体制を取っているのです。