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建設工事における見積もりは提示まで適切な期間を設定することが必要

2019.05.17
分類:その他

建設工事において、見積条件を提示する時には施工条件や施工責任の範囲などを明確にしなければなりません。これは、発注先から元請けに対する業務の依頼だけでなく、請けが下請けと下請契約を結ぶ場合も同様です。

適切な見積期間を設け、見積もりに見落としなどがないか、受注するのか、適正な施工はできるのかなど、業務を受ける側に十分検討する時間を与えることが必要とされています。 また、工事費の内訳が不明確であると後のトラブルに繋がりやすくなるので、内訳を明確にするためにも適切な見積り期間を設定するようにしましょう。

工事の発注者は見積もりを提示してもらうまでの期間に注意

建設工事を発注する場合、契約締結や入札前には実施される工事の内容や契約における条件などをできるだけ具体的に示し、さらに工事を受注する側が適切に見積りできるための期間を設定することが必要とされています。 建設業者間で、元請けから下請けに工事を発注する場合も同様、下請けが見積もりを適切に行うことができる期間を設けることが必要です。

見積もりを作成するための適切な期間とは

では、どのくらいの期間が適切な期間であるといえるのかというと、建設業法施行令で次のように具体的な日数の定めがありますので参考にしましょう。 ・1件あたり工事予定金額が500万円未満の場合の見積期間は1日以上 ・1件あたり工事予定金額が500万円以上 5,000万円未満の場合の見積期間は10日以上(ただし、やむを得ない事情がある場合は5日以上) ・1件あたり工事予定金額が5,000万円以上の場合の見積期間は15日以上(ただし、やむを得ない事情がある場合は10日以上)

これらの日数は、契約内容の提示日から契約締結日までの間に空けることが必要です。 また、国が行う競争入札については、入札期日の前日から起算し、最低でも10日前まで(急ぐ必要がある場合でも5日前まで)には、官報などによる公告が必要とされています。

簡単な見積もりを依頼された場合

もし、元請けから仕事を受ける時、その見積もりを依頼されてから提示するまで、十分な期間が設けられているか確認しましょう。見積もりを提示するまでの期間が「なるべく早めに」といった曖昧な期限であり、さらに先に述べた期間よりも短く設定されていることは問題です。

元請けから下請けに簡単な見積りを依頼する場合もあるようですが、本来、法律で定められている見積期間は下請工事を実施するために必要な見積もりのための期間です。そのため、元請けから改めて依頼される見積依頼日を基準として、いつまでに作成が必要なのかを判断すればよいでしょう。