建設現場で労働者が安全に作業を行うために重要なこと
建設業界は労働災害が多発する業界と言われていますが、被災した従業員はもちろんのこと、事業所にもそのダメージは影響します。
労働災害が起きた場合の損失額は億円単位にのぼることもあるので、経費を抑えようと安全対策を講じず、発生した災害で莫大な損失が発生してしまうことは避けるべきです。
建設業界で労災事故が多発してしまう理由
建設業界で事故の発生率が高い理由として、建設生産の特殊性が挙げられるでしょう。設備部分に対策を講じることが難しく、安全面で基本ルールを守ることが大変重要となります。
ただ、作業内容は日々変わっていくので、その都度安全設備を設置していかなければなりません。さらに同じものを同じ場所に、同じ条件で作ることがないので、安全設備部分の対策が難しい状況です。
その上、建設現場には色々な専門業者が出入りするので、どこに危険があるか把握しにくい状況が生まれやすくなるのも特徴といえるでしょう。
作業前に一旦立ち止まって確認を
ただ、建設現場は労働安全衛生法に従った上で労働者の安全を確保しなければならないことになっています。
そのためにも、労働者には作業を安全な手順で進めていくこと、身を守るヘルメットや餡全帯、安全靴、保護具を着用することは徹底することが必要です。
万一、事故が発生した場合に備えて、保険に加入しておくことも必要であると認識しておきましょう。
適切な教育を受けさせ情報共有を徹底することも重要
労働安全衛生法には色々な安全衛生教育の実施が定められているので、従業員には十分に教育を受けさせることが必要です。
雇用時には安全衛生教育を行い、建設現場に新しく入場する従業員には、現場の状況や作業内容だけでなく、危険箇所や現場ルールなどを徹底して教育することが求められます。
また、災害やヒヤリハットを確実に報告できる体制を作っておきましょう。作業中にヒヤリとしたことやハッとしたことを報告してもらい、現場で働く労働者同士で共有してもらうことで似た事態に遭遇した時に身を守ることが可能となります。
危険軽視はヒューマンエラーに繋がりやすいですし、不注意や本能のおもむくままの行動も同様です。
安全性を高めるリスクアセスメントを実施すること
以上のことを踏まえ、建設業界で労災事故を増やさないためにも、リスクアセスメントの考えを日々の作業に生かす様にしましょう。
リスクアセスメントとは、作業前に潜在する危険を洗い出しておき、どのくらいの頻度で発生する可能性があるか、もしリスクが発生した場合のケガや病気など、危険の大きさを見積もる作業から始まります。
さらい対策を講じる必要がある部分に優先順位をつけ、優先度の高いものから対策を実施し危険の大きさを許容できる水準まで下げていくことが必要です。