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建設業者として事業を営むなら会社経営のほうが得?

2019.08.22
分類:その他
個人事業主として建設業者を営んでいるけれど、会社として経営を始めたほうがよいのではないかと悩んでいる方も少なくありません。 建設業で法人化するケースはめずらしいことではありませんが、会社を設立しようと考えると手間やコストがかかってしまうのが気になるところです。 ただ、それに見合うだけのメリットがあるのなら…と考えてしまうでしょうが、実際、建設業者が法人化することでどのようなメリットがあるのでしょう。

会社設立の最大メリットは節税効果

法人化して会社を設立する最大のメリットは節税効果を得ることができることです。 個人事業主なら自分に対して給料を支払い経費として計上することはありませんが、会社であれば経営者に対する役員報酬として一定条件のもと、経費計上ができます。 ただ、注意したいのは役員報酬の場合、毎月同じ金額を支払わなければ損金として扱うことはできませんし、定期外の出費は役員賞与とみなされるので損金に算入することはできないので注意しましょう。

所得に対する税金も抑えることが可能に?

所得税は所得が増えれば増えるほど高い税率が適用される累進課税となっていますが、その最高税率は45%です。 ほぼ半分が税金になってしまうのは大きな痛手となりそうですが、中小企業が納付する法人税は例えば資本金が800万円以下なら15%、800万円超で23.2%など、一定税率が適用されます。 この点も節税効果に繋がりやすい部分といえるでしょう。ただ、あまり法人として所得が出せないのなら、十分な節税効果を得ることができないのでその点は理解しておく必要があります。

銀行融資は会社のほうが受けやすい?

法人化を検討する時に、銀行からの融資が受けやすくなるのでは…と考える方もいるようです。 ただ、銀行は貸し付けを行うにあたり、財務状態や調達した資金の使途、事業計画の内容、返済能力、担保や保証人の有無などを重視することになるので、法人化で会社を設立しても内部状況が同じなら、中小企業だからといって突然融資が受けやすくなることはないと考えられます。

返済ができなくなった時の扱いの違い

また、個人事業主がお金を借りた場合には事業主本人が返済を続けることになりますが、法人として融資を受けた場合には仮に倒産して返済できなくなったとしても、経営者に返済義務が及ぶことはありません。 会社が破綻したことにより経営者が負担しなければならない経済的な責任は、会社に出資した金額の範囲内に留まります。 ただ、中小企業がお金を借りる時には経営者が連帯保証人となることを求められることが多いので、その場合には法人の破綻と同時に経営者も自己破産に追い込まれてしまいます。 下請けに対する代金支払いなどは、多くの場合、個人保証は取り交わしていないことが多いので、もし元請けが破綻してしまうと下請けも連鎖倒産してしまう可能性が高くなりますので注意してください。