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建設工事で請負契約を結ぶ時に作成する契約書の内容とは?

2019.10.18
分類:その他
建設業法によると、土木建築に関する工事で29種類に規定されている工事を建設工事といいます。大小問わず、一般的に工事として行われているものはほとんど建設工事に該当するといえるでしょう。 その建設工事を完成させることを約束して、注文者が施工の対価を報酬として支払うことを約束する契約を建設工事請負契約といいます。 建設工事契約を結ぶ時には、建設工事請負契約書を作成することが必要となり、建設業法ではどのような内容を書面に記載することが必要か規定されています。

建設工事請負契約書に記載する必要のある項目

建設業法第19条では、建設工事の請負契約の当事者が、契約を締結するにあたり次の事項を建設工事請負契約書の書面上に記載することが必要とされています。また、作成した建設工事請負契約書には双方の署名・記名、押印を行い、それぞれに交付することが必要です。 ・工事の内容 ・請負の金額 ・工事に着手する時期と工事を完成させる時期 ・請負代金のすべてや一部を前金として払う、または完成した部分ごとに支払うという場合には、支払時期や方法 ・当事者のいずれかから設計の変更や工事着手の延期、工事のすべてや一部を中止する申し出があった時、工期や請負金額の変更、損害負担などについての算定方法 ・天災など不可抗力などによる工期の変更や損害負担、その金額の算定方法 ・物価の変動などに基づく請負金額や工事内容の変更 ・施工により第三者が損害を受けた際の賠償金負担に関して ・注文者が資材の提供、建設機械の貸与などを行う場合の内容とその方法 ・注文者が工事のすべてや一部の完成を確認する上で必要な検査の時期とその方法、引き渡し時期 ・工事完成後の請負金額の支払時期と方法 ・工事の目的物の瑕疵担保責任や責任履行に関する保証保険契約の締結、措置に関する定めとその内容 ・履行の遅滞や債務不履行が発生した場合の遅延利息や違約金、その他の損害金 ・契約に関して紛争が起きた場合の解決方法 これらは建設業法第19条に規定されている事項ですが、それ以外にも重要な契約条項として、 ・契約の形態 ・所有権移転の時期 ・損害保険について ・知的財産権の取り扱い ・再委託や下請負について ・秘密保持義務 などが挙げられます。

建設工事で請負契約を結ぶなら

必要な内容が記載されていない建設工事請負契約書を作成しても、いざという時にそれぞれが合意のもとで契約を結んだと証明できなくなります。 契約を交わす際には契約書を作成すること、必要な事項が記載されていることを確認した上で締結するようにしてください。