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建設業を営む場合に備えておきたい賠償責任を補償してくれる保険とは?

2020.04.28
分類:その他
建設業を営んでいると、事故などが多い業界であるゆえに、万一損害賠償責任を負うことになった時に備えて保険への加入を考えたいという場合も出てくることでしょう。 もし賠償責任などに備える保険に加入するのなら、建設業のリスクに備えることができるものを選ぶことが大切ですので、対象となる保険とその補償内容などをご紹介します。

請負業者賠償責任保険

建設業を営む場合に発生する賠償責任に備えることができる保険の種類はいくつかありますが、例えば工事作業中に他人や他人の財物に損害を発生させた時の補償であれば「請負業者賠償責任保険」がよいでしょう。 この請負業者賠償責任保険は、工事を行うために所有・使用・管理している施設が原因で、他人に危害を及ぼした時や他人の財物に損害を与えた時、その賠償責任について補償してくれます。 例えば工事現場での作業中、高所から落としてしまった工具が通行人にあたり大ケガを負わせてしまった場合などにおいて、建設業者が負担しなければならない損害賠償責任を補償する形です。 なお、請負業者賠償責任保険では工事作業中の事故などで発生した、他人や他人の財物に対する賠償責任を補償する保険なので、作業後に損害が発生しても補償の対象にならない点に注意してください。 作業後の存在による賠償責任に備えるのなら、PL保険(生産物賠償責任保険)を検討することになります。

PL保険(生産物賠償責任保険)

作った物や仕事の成果に欠陥があり、その欠陥が原因で損害を与えてしまった場合に発生する賠償責任を補償してくれるのが「PL保険(生産物賠償責任保険)」です。 例えば看板などを取り付ける工事を行って引き渡した後で、設置方法に不備があったことを理由に看板が落下してしまったとします。ただ落下しただけでなく、たまたま通りかかった通行人にケガを負わせてしまったという場合や、設置されていた看板の下にあった物にあたり壊してしまった場合、損害賠償責任が発生することとなってしまいます。 他にも電気工事において、作業ミスで施設完成後に漏電などが発生してしまうと、大火災を引き起こしてしまう可能性もあります。排水管工事が不十分だった場合には、水漏れが起きてしまうといったことも考えられるでしょう。 PL保険は、このような工事が完成された後で発生した賠償責任リスクをカバーする内容となっています。 他にも建築工事や設備工事を行っている時に、自然災害やトラブルなどで、資材や工事の対象となっている物に損害を発生させてしまった時に補償される「建設工事保険」もありますので、万一リスクが発生した時に備えておきたい内容に合わせて検討するとよいでしょう。