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建設業でも残業時間の見直しが必要に!労働時間の上限規制はいつから?

2020.07.10
分類:その他
2019年4月から労働時間の上限規制により、企業では残業時間などもより注意しなければならなくなりました。 建設業の労働時間の上限については、2024年4月から規制が始まります。 猶予期間が設けられているため、その期間の間で上限規制を遵守できる環境を整備していくことが必要です。

建設業には猶予期間が設けられている理由

建設業界では長時間労働が常態化しており、1週間に1日休みを取ることができないといったこともめずらしくありません。 その背景には慢性的な人手不足や短納期などが関係しており、長時間労働が常態化しているといえます。 しかし2024年4月からは残業などを見直し、労働時間の上限規制を守ることが必要です。原則として労働基準法に定めのあるとおり、労働時間の上限は1日8時間、1週間40時間までとなります。 上限を超えて労働させる必要がある場合には、労使間で36協定を結ぶことが必要です。36協定とは時間外・休日労働に関する協定であり、労働者に時間外や休日に労働をさせる時、労働基準監督署に届出を行うことが必要となるものです。 36協定が労使間で結ばれていれば、1週間15時間、1か月45時間、1年間360時間を上限とした時間外労働が可能となります。

36協定を超える残業が必要になったら?

36協定を労使間で結んでいても、完成までの納期が差し迫った状態ではその上限も遵守できないことも出てくるでしょう。 その場合には、一定要件をクリアした上で特別条項付き36協定を締結すれば労働時間の上限をさらに引き上げることも可能です。 特別な事情がある場合のみ可能となる協定であり、さらに通常の36協定の上限を超えた労働は年6回までと決められていますし、どのくらい延長するか定めておくことも必要となります。 特別条項付き36協定でも年間720時間以内という上限があり、単月の場合には休日労働を含め100時間未満、複数月平均で休日労働を含め80時間以内という条件もクリアすることが必要です。

労働時間の上限規制は必ず守ることが必要

2024年4月から建設業も守らなければならない労働時間の上限規制を守らなかった場合 には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則の対象となります。 そして上限規制を大幅に超えた時間外・休日労働をさせたというケースにおいては、企業名が公表されてしまいます。 イメージは低下し、さらに社会的な信用を失うことになるため、無理な残業を強いることのないよう必ず労働時間の上限は守るようにしてください。