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建設現場で周知させておきたいヒヤリハット事例とは?

2020.12.08
分類:その他
建設現場は労災事故が発生しやすい危険な業務が多く、事故防止のためにはヒヤリハット事例などを現場で周知させておくことが必要です。 労災事故が起きる件数は近年減少傾向にあるとはいえるものの、発生している事故の多くが建設現場というのが実情といえます。 重大事故1件の背景には、軽微な事故が29件関係しているといわれており、さらに事故には至らなかったけれどヒヤリと感じたものやハッとした事例が300件あるといわれています。 このヒヤリと感じたものやハッとした事例がヒヤリハットであり、労災を減少させるためにはヒヤリハットの段階でリスクをなくすことが重要です。

建設現場で作業員が感じたヒヤリハットの事例

実際に建設現場で働いている作業員が、もしかしたら重大な事故につながった可能性があると感じたヒヤリハットとして、具体的にどのような事例があるかご紹介します。 特に建設現場の労災事故で多い、転落や墜落、転倒、落下などを中心として紹介しますので、作業を行う上でどのようなことに注意すればよいか把握しておきましょう。

転落・墜落のヒヤリハット事例

転落・墜落のヒヤリハット事例として、たとえば枠組み足場の作業床で転倒しそうになったという例や、クレーンで足場用鋼管を搬送しているときに転倒しそうになったといった例が挙げられます。 建設現場の足場は段差をなくし、事前に点検を行い紐や番線など引っかかるものがないか確認しておきましょう。 また、長尺の足場用鋼管をまとめてつり上げ搬送しているとき、荷が回転しそうになり介添えロープを引いたところ、ロープが抜け落ち転倒しそうになったというような例もあります。 バラ物が抜け落ちないためには、玉掛け方法としてあだまきつりなどを使うこと、介添えロープも荷に緊縛することが必要です。

転倒などのヒヤリハット事例

足場の組立工事のために足場上を歩行しているとき、足場板のツメが破損したことで板が傾いてしまい転落しそうになったという例では、足場板の事前点検が不十分と考えられます。 ツメ取付け部分が劣化していたことに気づかなかったと考えられるため、足場板の事前点検は必ず行うようにしてください。 他にも飛来・落下の事例として、塗装作業中にはしごから墜落しそうになったケースや、ワイヤーが切れたことで鋼材が落下したという例もあります。 いずれにしても事前の確認が必要であり、少しのミスが重大な事故を引き起こす可能性があると作業員一人ひとりが意識を高く持ち作業に取り掛かることが必要といえるでしょう。