建設業で実践するべきリスクマネジメントとは?

建設業では、現場においてその都度、人がモノを創ることになります。その規模は大きく、長期に渡る業務となりがちですが、製造業など他の業界と比較すると危険な仕事が多いといえるでしょう。
また、多くの協力業者とともに業務を行うため、何かトラブルがあった時にその対応が難しいことも特徴のひとつです。
そのため建設業では、現場で事故が発生してしまわないよう、しっかりとリスクマネジメントしていくことが必要といえます。
リスクマネジメントとリスクアセスメントは一体
リスクマネジメントとは、事前に想定されるリスクを管理し、万一リスクが発生してしまったときの損失や不利益を最小限に抑えることです。
そして労働安全衛生法では、事業者が職場におけるリスクを調査し、その結果に基づいて対策や措置を実施するリスクアセスメントを求めています。
事業者は労働者一人ひとりの安全と健康を確保しながら、安心して働くことができる職場の提供に努めなければなりません。
安心して働くことができる職場をつくるためには、災害原因である危険性・有害性を取り除くことが不可欠となるため、その基本的な枠組みを定めることこそがリスクアセスメントです。
どのようなリスクアセスメントが理想?
リスクアセスメントは事業者にとって努力義務とされていますが、建設業は重層請負構造に伴っていろいろな業者が1つの現場に混在することを理解して実践していくことが必要です。
事業者が単独で安全管理を行うだけでは不十分であり、工程や作業環境の条件により日々リスクが変わりやすい状況にあると留意しておいてください。
元方事業者が統括安全衛生管理の中にリスクアセスメントを位置付けていくことが求められます。それぞれ現場に対する安全衛生指導や援助を行いながら、作業計画時など時間をかけてリスクアセスメントを行うことが必要になります。
リスクマネジメントはPDCAサイクルが基本に
「リスク」は危険度・予測どおりには進まない可能性といった意味がありますが、「リスクマネジメント」での「リスク」とは組織に影響する不確実性と言い換えることができます。
危機管理でリスクアセスメントを実践していく上で、建設作業現場での安全衛生対策の立案、実際に作業所で発生した災害やヒヤリ・ハットなど情報を収集・蓄積しておくことが必要です。
労働安全衛生マネジメントシステムの中で、計画→実施→評価→改善というPDCAサイクルを実施していきましょう。それにより潜在する危険性・有害性の低減が可能となるはずです。