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建設現場で働く技能者のスキルをアップさせるためのシステムとは?

2021.01.07
分類:その他
2019年4月から全国で運用スタートとなったのが「建設キャリアアップシステム」です。建設業界と国土交通省が協力し推進しているシステムで、建設業で働く方たちがスキルアップさせるためだけでなく、様々なメリットがあることが期待されています。 そこで、具体的にどのような仕組みになっているのかご紹介します。

建設キャリアアップシステムの目的とは?

建設キャリアアップシステムは、建設現場で働く技能者の資格・経歴などがカードに登録されるため、カードリーダーに触れれば日々の業務の履歴などを蓄積することができます。 なぜこのようなシステムが開発されたのかというと、現在、建設業界は深刻な人手不足に陥っているからです。人材確保や生産性を向上させることが必要とされており、さらに建設業の現場で働く方たちがやりがいを感じながら働くことのできる環境整備も重要となっています。 そのためこのシステムへ登録してもらい、技能者のスキル向上だけでなく人材不足も解消しようと推進されているのです。

外国人の方も登録可能

システムへの登録は都市部を中心として増えているものの、地方ではまだシステムそのものを知らないというケースも少なくありません。 国籍による差を設けていないため、外国人の方でも登録可能であり、特定技能制度を利用した外国人は登録が義務化されています。

建設業でスキルの高い優秀な人材確保に必要なシステム

現在、建設現場で働く技能者の約25%は65歳以上というデータもあり、高齢化が進んでいる状況です。 そもそも人々が快適・安全に生活する上で欠かすことのできない産業のため、建設業界が発展するためにも優秀な人材をどんどん確保していくことが必要となります。 今現場で働いている65歳以上の方がリタイアした後、業界を支える人材は間違いなく不足します。 そこで、若い世代に建設業は入職したい産業だと感じてもらうため、そして離職者をくい止める取り組みも重要とされ今回のシステムが開発されたようです。

技能者のスキルによりレベル評価される制度も

建設キャリアアップシステムにより、従来までは把握が難しかった技能者それぞれの技能・経験などを業界全体の共通ルールにより確認できます。 システムに蓄積されたデータから、技能者の能力を4つのレベルで評価する能力評価制度も進められ、能力評価ごとにカードが発行されます。 優秀な技能者はスキルやレベルが上がっていくので、現場で働く上でのモチベーション向上にもつながるはずです。 最高レベルのレベル4はゴールドカードが発行され、自身のレベルをアピールすることも可能であり、それに応じた処遇も期待できるようになるでしょう。

スキルやキャリアを引き継ぐことが可能

これまで築き上げたスキルやキャリアを他社でも引き継ぐことが可能となるため、転職したとしてもレベルを引き継ぐことができます。 いったん休職してまた復帰するときにも、キャリアが継続されるので安心して戻ってくることができるでしょう。 そして建設会社側としても、データをオンラインで保存できるため書類事務を軽減させることができ、効率的に仕事を進めていくことが可能となるのはメリットです。