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建設業が対応していくべき働き方改革とは?

2021.01.20
分類:その他

2020年4月から、中小企業には時間外労働の上限規制が適用されました。職場環境を改善させる働き方改革が、いよいよ本格化したといえるでしょう。

建設業界でも対応が必要ですが、施策の適用開始時期が遅く設定されているため、現在準備段階という企業も少なくありません。

しかし猶予が与えられたからといって、のんびりしているとアッという間にそのときはやってきますので、早めの対応を心掛けるようにしてください。

2024年までに行っておくべきこととは?

建設業労働者の就業時間はすべての産業の平均より、年間300時間以上も多いとされています。週休2日取得に至っていない人数の割合も多い業界のため、建設業界は他の産業と同じタイミングで働き方改革による制限への対応は困難といえる状況です。

時間外労働の上限規制への対策にも時間がかかることが推測されるため4年間の猶予期間が設けられていますが、2024年には建設業界でも時間外労働の上限規制を守らなければならなくなります。

そもそも建設業界は3K(きつい・きたない・危険)のイメージが強く、求人募集を出しても人が集まらない状態です。

そのため、ネガティブなイメージを払拭することが必要であり、週休2日制の導入や残業抑止は重要な施策としてとらえておくことが必要といえます。

特別な猶予期間が設けられているからこそ、確実に対応しなければならないと留意しておくべきです。

建設業働き方改革加速化プログラムとは?

国土交通省は2024年までに、事業の規模に関係なく建設業に携わる企業すべてに、「建設業働き方改革加速化プログラム」を作成しています。

建設業では公共工事などを主に、官民一体で取り組む事業も少なくありません。そのため建設業を営む企業では、国や自治体の施策もしっかりと把握しておくことが必要です。

建設業働き方改革加速化プログラムは2024年までに取り組むべきと考えられますが、この中では長時間労働の是正・給与・社会保険・生産性向上という3本柱が設定されています。

長時間労働の是正

2024年には罰則付きの時間外労働規制が建設業にも適用されますが、それよりも前から長時間労働を是正し、週休2日を確保することが推奨されています。公共事業での週休2日工事件数と実施団体を増加させ、民間工事で週休2日制を積極的に実現させることに取り組む企業には評価する仕組みを確立させるといった内容です。

給与・社会保険

キャリアアップする機会を均等化するため、労働者の技能やこれまでの経験にふさわしい処遇を実現すること、そして社会保険に加入することをスタンダード化していくようです。国主導の建設キャリアアップシステムへの加入を推奨し、技術者が保有する技能を見える化させる取り組みを行っています。

生産性向上

長時間労働を抑制し就労時間を短くすることは必要ですが、利益確保のために生産性を向上させること、業務を効率化させることも求められます。

そこで、中小企業など人員を増やすことが難しい企業には、ICTを積極的に活用することを推奨しています。