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国土交通省が推進する「建設キャリアアップシステム」とは?

2021.02.16
分類:その他
国土交通省は、建設業界に関係する技能者の資格・社会保険への加入状況・現場の就業履歴など、様々な情報蓄積や登録推進のため、建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System)を推進しています。 この建設キャリアアップシステムにより、技能者が適正に評価を受けることや、建設事業者の業務負担が軽減されるといったことが期待できます。 すでに一般財団法人建設業振興基金が運営主体となって2019年4月から運用がスタートしていますが、2020年1月からは外国人技能実習生の建設キャリアアップシステム登録が義務化されたことでさらに対応が急務となっています。

建設キャリアアップシステムへの登録はこれから進んでいく

国土交通省は5年間のうちに、全技能者330万人が建設キャリアアップシステムへ登録することを目標としているようです。 しかし建設事業者にとっては、いつまでにどのように現場で対応すればよいのかわからないといったこともあるでしょう。 確かに申請や導入までの仕組みが複雑にも感じられるようですが、実際には技能者と建設事業者のどちらにもメリットがある制度なので早めに対応したほうがよいといえます。

建設キャリアアップシステムのメリット

建設キャリアアップシステムは技能者と建設事業者、どちらにもメリットがある制度ですが具体的に次のようなことが期待できます。

技能者側のメリット

個人カードに保有している資格や就業履歴を蓄積させるため、自身の経験やスキルを客観的に表現でき、正当な賃金や処遇を受けることが期待できます。 さらにICカード読み取りによって就業実績が管理されることとなるため、建設業退職金共済の退職金関連の事務手続きがスムーズとなり、適切な退職金を受け取ることができるでしょう。 保有資格や就業実績に応じて能力がレベル分けされるため、目指すキャリアの道筋を明確にさせることも期待できます。

建設事業者のメリット

人手不足が顕著となっている建設業界ですが、建設キャリアアップシステム導入により、就業環境がしっかり整備されていることのアピールにもつながります。 また、従業員の技能やキャリアを見える化させることが可能となるため、在籍中の技能者の経験やスキルを他社にアピールすることも可能です。 ICカードで勤怠管理を明確に、そしてスキルを見える化させることで人材採用を効率化させることも可能となり、工事完了後も入退場情報の確認が可能となるトレーサビリティやコンプライアンス確保など業務負担を軽減させることが期待できます。 建設業退職金共済との連動によって、退職金関係の事務作業も効率化され手間が省けることもメリットといえるでしょう。