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建設国保ではダメ?元請けから行き過ぎた要求があったときは建設労働組合に相談を

2021.03.25
分類:その他
建設業で働く労働者について社会保険への加入が不十分であることが指摘されていますが、国土交通省でも元請けに対し特段の理由なく適切な保険へ未加入の作業員について、現場に入場させないようにするべきとしています。 社会保険への加入について指導は強化される一方で、任意の適用事業者や適用されない事業者にも加入を迫るといった行為も起きているようです。 もしこのような行き過ぎた対応がされた場合には、建設労働組合に相談するようにしましょう。

社会保険へ加入させたくないと考える背景とは?

建設業は重層下請構造となっていますが、下請けに位置する建設業者ほど、資金面での体力は低いといえます。 そのため、労使折半となる社会保険に労働者を加入させればコストを増やすこととなるため、保険料負担が重く感じ積極的に加入させようとしない動きも見られます。 特に建設業で働く労働者の場合、給料から保険料の天引きがない一人親方・個人事業主などが多くいます。そのため社会保険に加入させず、保険料負担を免れようとする動きが出てきてもおかしくないといえるでしょう。

建設国保であれば負担軽減に

建設工事業に充実している個人事業主やその従業員、一人親方などを対象とした建設国保であれば、所得ではなく年齢・事業所・就労形態・家族の人数などで支払う保険料が決定されます。 建設国保と厚生年金に加入すれば社会保険に加入している要件を満たすことになるため、社会保険未加入という扱いにはなりません。

協会けんぽに移行の必要はなし

全国建設労働組合総連会でも、建設業に従事する労働者に対し医療費や入院費など保障する保険制度を運営しています。 健保適用除外の手続きを行うことで、厚生年金と建設国保をセットとした社会保険加入扱いにすることが可能です。 健保適用除外制度は協会けんぽへ移行することを必要とはしない制度ですが、元請けなどから建設国保を脱退し社会保険に加入しなおす理不尽な要請を受けた場合には、速やかに建設労働組合などに相談するようにしましょう。

どの保険にも未加入の場合はすみやかに手続きを

社会保険に加入しなおさなくても、建設国保で対応できることはありますが、保険に未加入の状態は様々なリスクを高めることとなります。 保険料の負担は発生するものの、いずれにしても加入しておくことは必要なため、まだ加入していない労働者がいれば適切な手続きを取るようにしてください。